日記帳スペシャル ベルギー&オランダへの旅 4

1999年3月18日(木)ルーヴェン レコーディング3日目

  

 今日も午前中はフリーなのでルーヴェンの街を散歩。ブリュッセル通りに「カラオケ・ベートーヴェン」なる店を発見! 写真にはないが、右側に「パイオニア・レーザーディスク」の看板もあった。第九でも歌うんかいな。(?_?)

 ベネルクスでは日本の桜の木が多く見られる(写真中央)。不思議なことに日本よりも寒いのに日本よりも早く桜が咲いている。しかしやはり気候が合わないのか花に勢いがない。

 ブリュッセル通りのゴディヴァの店へ(写真右)。ゴディヴァというと日本でも売られている(というか世界中で売られている)有名な高級チョコだ。あまりにありふれたお土産だけれど、もしかすると本場の物は少し味が違うかもしれん。でも高いのはルーヴェンでも同じ。大箱1つと小箱3つ、そして奏愛と鐘汰のために卵形のチョコがいくつか入ってヒヨコの飾りが付いたのを2つ買う。計1830BF(約6000円)也。

 大人の服はかさばるけれど、子供服ならトランクに入りそうなので奏愛と鐘汰に服を買ってやろうと思いついた。高級品でも低級品でもない、ベルギーの子供たちが普通に着ていそうなのを探す。ちょうど良さそうな店があったので奏愛にはピンク色のスウェットの上着を、鐘汰には紺色のジャケットを買う。スウェット999BF(約3200円)、ジャケット2499BF(約8200円)也。スウェットはとても色が良い。ベルギーの人々の美的感覚や色彩感覚はとても優れていると思う(オランダよりも)。ジャケットは寒い国の物だけあって良くできている。とても軽くて暖かそうだ。

 ヤンは11時から授業があって12時半にホテルに迎えに来てくれる約束。今日は10分遅刻で12時40分にホテルにやってきた。(^-^;)

 レメンス音楽院近くの例のレストランへ。ハーデルマンも、昨日会ったピアノの先生も、一昨日会った作曲の先生も来ていて賑やかに食事を楽しむ。メニューのトーストのところに「カーニバル」なるものを見つけたので「これは何か?」とハーデルマンに聞いたが、彼はおどけて踊りながら「まさにカーニバルなんだよ」と言うだけ。(^-^;) 何だかよくわからんがトライする。堅いトーストの上に辛いトマトソース。ナイフで切るのに苦心している私にヤンが「ファイト!」と応援。彼が和製英語の「ファイト」(=がんばれ)を知っていてそのつもりで言ったのか、それとも英語本来の「戦え!」の意味で言ったのかは不明。(^-^;) なかなか美味い。φ(^_^)

 今日も2時からレコーディング。レコーディングに先立って記念撮影。ヨスも一眼レフカメラを持ってきていて記念撮影していた。CDのリーフレットに使うのかもしれん。ハープ奏者が夜にならないと来ないということで「カタコンブ」と「死者とともに死者の言葉をもって」は後回し。先に「はげ山の一夜」を録る。

 

 今日も快調。ハーデルマンと私はミスや問題があると片っ端からダメを入れる。そしてその寸前から演奏が再開する。ヨスもまたアレンジャーだ。音楽を良く知っている。時にはヨスから「今ので良いのか?」と指摘が入ることがある。マルダインはどのテイクがOKなのかを記録し続ける。ちなみにマルダインはまだ22歳の若者だがとてもしっかりしている。

 「はげ山の一夜」の途中から外では雨が降り始める。ベルギーに来て初めての雨だ。ベネルクスの雨は日本のようにザーッと降ることは少ないようだ。シトシト静かな雨。

 5時に「はげ山の一夜」の最後のメノ・モッソを残して休憩。ギリシャ料理を食べようということになって雨の中5人でヤンの車に乗ってルーヴェンの街へ。しかし残念ながら適当な駐車場所が見つからず行き先を変更。イタリア料理店カンセルへ。カンセルは教会の説教壇を意味するのだそうな。なるほど店内には小さい説教壇がある。ヤンは「トオル、何か説教するか?」。(^○^) その店の名前が付いた「スパゲッティ・カンセル」なるものを食う。野菜がタップリ入ったミートソース・スパゲッティだった。美味い。φ(^_^) 今日の食事も支払いはデ・ハスケのクレジットカードで、「サンキュー・デ・ハスケ」。

 7時にレコーディング再開。「展覧会の絵」の残り「カタコンブ」を録り、「キエフの大門」のエンディングを録り直し。以上で「展覧会の絵」のレコーディングは終了。続いて「はげ山の一夜」のエンディング(メノ・モッソ)を録る。これで今回のレコーディング・セッションは予定より一日早くすべて終了。\(^o^)/

 みんなとガッチリ握手。「私は幸せだ」と言うと「トオルが幸せだということは、ここにいるみんなが幸せだということだ」とハーデルマン。感激!

 終了後何人かの学生が声をかけてきた。「あなたの編曲はとても興味深く、勉強になった」「素晴らしいです!」などなど。「私はあなたたちの演奏にまったく満足している。私は幸せだ。ありがとう!」と言ったら彼らもとても喜んでくれた。高橋版「展覧会の絵」で一番難しいパートである Perccussion 4 を担当した打楽器の学生には「君にはスペシャル・サンクスをおくらないと」と言ったら恐縮されてしまった。(^-^;) レメンス音楽院の学生たちはとても謙虚で礼儀正しい。

 「ベルギーを気に入ったか?」とハーデルマン。「とても気に入った。特にルーヴェンの街はとても気に入った。ビールもタバコも食べ物も、そして特に人々が素晴らしい。日本に帰りたくない」と言ったら(これはお世辞ではない。ホントにそう思った)「じゃあヨメさんと子供を呼び寄せて住んだらいい」とヤン。

 ヤンは教員控室で何か書類を書いている。事務的にも忙しいのはある程度われわれと同じだ。でも彼の出校日は月曜日と火曜日だけ。羨ましい。あとの5日間は自分なりの仕事ができるのだそうだ。ヤンには申し訳ないがヤンを残してハーデルマンのルノーのワゴン車に乗っていつもの店へ。ヤンはしばらくするとやってきた。フーハールデン("Hoegaarden" 日本では「ヒューガルデン」と言われているらしい)を飲む。ジューシーなビールだ。美味い。( ^_^)/□☆□\(^_^ ) でもやっぱりドゥヴェルを飲みたくなる。2杯目はやっぱりドゥヴェル! ( ^_^)/□☆□\(^_^ ) さらにパルムというハーフビールを飲む。香りが良い。( ^_^)/□☆□\(^_^ )

 学生たちも何人か飲みに来た。日本流に言えば「打ち上げ」ってヤツだけど、少なくともウチの学生たちの打ち上げのように下品ではない。レメンス音楽院の学生たちはもちろん、ルーヴェンの人々はとても上品でしかも陽気で楽しい。

 「あなたがたは立派なミュージシャンだ。レメンス音楽院もルーヴェンもとても気に入った。ビールも良いし、食事も良いし、人々も良いし..」「で、音楽は?」「おお、音楽は最高だ」(^○^) 左端の男の子(チューバ吹き)がインターネットをしているというので写真をメールで送る約束をする。

 ヤンは女子学生を2人送って行ってしばらくすると戻ってきた。とても学生思いの先生だ。ハーデルマンに「ヤンは女子学生に特に親切なのか?」と冗談を言ったら「そうだ!」と。ヤンは大笑い。(^○^) 否定はしなかった。(^-^;)

 今夜もヤンにホテルまで送ってもらう。午前1時に寝る。(-_-)゜zzz

3月15日(月) ブリュッセルへ
3月16日(火) ルーヴェン レコーディング初日
3月17日(水) ルーヴェン レコーディング2日目
3月18日(木) ルーヴェン レコーディング3日目
3月19日(金)その1 ルーヴェンからコンティッヒのヴァン・デル・ローストの家、アントワープへ
3月19日(金)その2 ブリュッセルでギデ吹奏楽団を鑑賞、アントワープへ
3月20日(土) アントワープからアムステルダムへ
3月21日(日) アムステルダム
3月22日(月)その1 アムステルダムからヘーレンフェーンのデ・ハスケ本社へ
3月22日(月)その2 ヴァン・デル・ローストの家へ
3月23日(火) ブリュッセルから日本へ