日記帳スペシャル ベルギー&オランダへの旅 5

1999年3月19日(金)その1 ルーヴェンからブリュッセル、コンティッヒのヴァン・デル・ローストの家、アントワープへ

 今日も午前中はフリー。チェックアウトを済ませて荷物だけホテルに預かってもらって、すっかり気に入ったルーヴェンの街を今日も散歩することにする。ホテルのラゲッジ・ルームは鍵すらかかっていない無防備な状態。平和な街なんだな。

 公園で市場をやっていた。野菜や服などを売っている。何も買わなかったけれど、見ているだけで楽しい。

 続いて市立博物館へ。小さな博物館だが意外に見応えがある。15〜18世紀のルーヴェンとブラバン州の絵画と彫刻、そして家具類。いずれも素晴らしい。館内の写真を撮れなかったのが残念。

 外へ出てくるとちょうど小学校の一つのクラスなんだろう、博物館の庭に子供たちが先生に連れられてやってきた。ルーヴェンは大人たちだけでなく子供たちもとてもお行儀がよろしい。日本でありがちな、先生が大声で「集合!」などと叫ぶ様子もないし、その必要もないようだ。うーむ、ウチの子供たちもしつけをしっかりしなきゃいかんな。そんなことを思ってしまった。(^-^;)

 市立図書館にも入ってみる。一角ではお姫様の格好をしたお姉さんがスライドで紙芝居みたいなのをやっていて幼稚園児くらいの子供たちが見ていた。図書館でこういうことをしているのはあまり日本では見かけないなぁ。

 博物館の入場券は聖ピーテルス教会の入場券とコンビネーション・チケットになっている。次はその聖ピーテルス教会の内部に入ってみることにした。

 

 その荘厳さと美しさに圧倒される。そしてディルク・バウツの「最後の晩餐」など貴重な美術品を見ることができた。もちろん教会内部は撮影ができない。上の2枚の写真は教会の売店で買ったスライド・フィルムをフィルム・スキャナで取り込んだもの。

 教会内を地下までじっくり鑑賞したあとは向かいの市庁舎内部にも入ってみる。薄暗いロビーに彫刻がいくつか。この街は街全体が芸術してるんである。

 イタリア料理店で一人で昼食。なぜかベルギーに来てイタリア料理ばかり食べているような...。でもピザは初めてだ。今日も市庁舎裏の通りに出て昨日とは違う料理店ダ・トニオに入った。ピザ・ナポリなるものを食す。でかい! 直径40cmくらいあるぞ。でもさすがにベルギーのチーズは美味い。あまりに美味しいので平らげてしまった。φ(^_^)

 ところでこのルーヴェンという街は観光地としては日本であまり知られていないが絶対にオススメである! 大都会とは違ってその土地の人々の生活ぶりを垣間見ることができるし、治安も良いし、何より落ち着く。見所はたくさんあるが、小さな街なので観光で訪れるなら1日で十分だろう。しかもブリュッセルやアントワープからも近いのでベルギーを旅する人にはぜひ訪れて欲しいと思う。

 ホテルに戻る。ヤンは午前中の授業を済ませてからホテルまで迎えに来てくれた。レメンス音楽院に行ってウルフ氏と会う。氏はレメンス音楽院シンフォニック・バンドの創設者で現在はレメンス音楽院とは直接関係のない高校のバンドの指導者をしているとのこと。

 レメンス音楽院でヨスとマルダインに合流。デ・ハスケの2人はブリュッセルで用事があるが、道がよくわからないと言うのでヤンの車が先導することになった。

 ブリュッセルでデ・ハスケ号とわかれてヤンの車でブリュッセルのミニ観光。私は到着時と出発時にブリュッセルで計2泊するわけだが、ブリュッセルの観光は楽しむ機会がないのでヤンが「せめてトオルが次に来るときのために」とサービスしてくれたのだ。観光タクシーみたいにあれこれ解説しながら観光スポットを見せてくれた。ホントに親切な人なんである。車の中からラーケン王宮やEU本部などを見る。

 夜にもブリュッセルに来るわけだが、ヤンは親切にも私が今夜泊まるアントワープまで送ってくれるのだ。その途中ヤンは家に電話をする。下の息子トムが帰っているというので急遽予定を変更してコンティッヒの彼の家に寄ることになった。

 ちなみにベネルクスの人々もとても携帯電話が好きだ。ヤンの携帯電話は車の中ではハンズフリーにできるようにしてある。彼は運転中も頻繁に電話を使う。

 彼が住むコンティッヒはアントワープの近くでアントワープやブリュッセルのベッドタウンにあたる閑静な住宅地だ。写真は街の中心部を車内から撮影したもの。

 トムが迎えてくれた。学校では来年から英語を習うのだそうだがすでに英語が話せる。テレビを通じてすでに英語をマスターしているのだ。少なくとも私よりは上手に話す。まだ英語を習っていない少年に負けてしまった。ちょっと悔しい。(;_;)

 ヤンの家はとても素晴らしい。豪邸でないところがいかにも気さくな彼らしい。家の中は素晴らしく整理整頓され、清潔で、家具などのセンスもモダンでとても良い。

 仕事部屋は小さいながらとても機能的なレイアウト。パソコン(Macintosh)、電話、ファックス、コピー機、電子ピアノが彼を取り囲む形になっている。「とてもキレイに片づいているね」と言ったら「このところ何ヶ月も忙しくて作曲をしていない。作曲しているときはひどく散らかるのだ」とヤン。

  

 リビングルームのコレクションボードには彼が訪れた国のものがあれこれ飾られていた。'97に彼が大阪音大の吹奏楽クラスを訪れた際に学生からプレゼントされた備前焼のビアグラスもそこにあった。写真ではわかりづらいが上から2段目の左端のがそれ。

 リビングルームで彼の最新作 "Credentium" のCDをスコアを見ながら聞かせてもらう。「スパルタクス」を思わせる変拍子が多いエクサイティングな曲。金管のハイトーンがかなりキツそうである。編成も大きい。演奏時間は14分。彼は「クレデンティウムというタイトルは日本人に発音しやすいだろうか?」とか「日本で演奏されるだろうか?」と気にしている。「これだけエクサイティングな曲だから、もちろん大いに話題になるだろう。でも編成が充実した上級バンドにしか演奏できないだろうね」と言っておく。さらに日本のスクールバンドは少子化で小編成バンドが増えているから小編成バンドのための曲もどんどん書いて欲しいと進言する。

 再び車で出発。コンティッヒの中心部にある旅行社で飛行機と宿泊の費用を支払う。ここは彼がいつも利用している旅行社で、今回の私の旅のための予約はほとんど彼がここでしてくれていたのである。

 アントワープまでドライブ。5時にアントワープに着く。アントワープ・ヒルトンホテルにチェックイン。豪華なホテルだ。ヤンは「ちょっと用事がある」と言ってどこかに行ってしまった。とにかく忙しい人だ。私は部屋でゆっくり風呂に入る。昨日まで滞在したホテル・ビネンホフはシャワーだけしかなかったので風呂に飢えていたのだ。

 

 ブリュッセルのシェラトン・エアポート・ホテルと同様に TV には "Welcome Dear Mr. Takahashi" と表示されている。こちらの近代的なホテルでは珍しくないものらしい。これまたブリュッセルのホテルと同様に部屋は広い(左の写真の右下にあるトランクが小さく見える!)。ベッドも大きい。風呂も大きい。おぼれそうになる。(^-^;)

3月15日(月) ブリュッセルへ
3月16日(火) ルーヴェン レコーディング初日
3月17日(水) ルーヴェン レコーディング2日目
3月18日(木) ルーヴェン レコーディング3日目
3月19日(金)その1 ルーヴェンからコンティッヒのヴァン・デル・ローストの家、アントワープへ
3月19日(金)その2 ブリュッセルでギデ吹奏楽団を鑑賞、アントワープへ
3月20日(土) アントワープからアムステルダムへ
3月21日(日) アムステルダム
3月22日(月)その1 アムステルダムからヘーレンフェーンのデ・ハスケ本社へ
3月22日(月)その2 ヴァン・デル・ローストの家へ
3月23日(火) ブリュッセルから日本へ