DISC 1 | |
1 | テンプル125 ( Temple 125 ) [ ケヴィン・ラルソン ( Kevin Larsson ) ] ( 3:10 ) ヨーロピアン・ユース・ブラス・バンド (European Youth Brass Band) |
2 | ミスティック・エコーズ ( Mystic Echoes ) [ ヘンドリック・デ・ブール ( Hendrik de Boer ) ] ( 12:02 ) イタリアン・ブラス・バンド (Italian Brass Band) |
3 | パルティータ:第1楽章 ( Partita (1st movement) ) [ フィリップ・スパーク ( Philip Sparke ) ] ( 4:39 ) ヨーロピアン・ユース・ブラス・バンド (European Youth Brass Band) |
4 | アイボリー・ゴースト ( Ivory Ghosts ) [ ギャヴィン・ヒギンズ ( Gavin Higgins ) ] ( 3:58 ) ヨーロピアン・ユース・ブラス・バンド (European Youth Brass Band) |
5 | ヴァレリウス変奏曲 ( Valerius Variations ) [ フィリップ・スパーク ( Philip Sparke ) ] ( 9:25 ) ワードル・アカデミー・ユース・バンド (Wardle Academy Youth Band) |
6 | プリティー・ドラッグド・フェアリー ( Pretty Drugged Fairy ) [ arr. ロマン・ブライ ( Romain Bly ) ] ( 4:22 ) K.O. ブラス!& ヨーロピアン・ユース・ブラス・バンド (K.O.Brass! and European Youth Brass Band) |
7 | ダーク・アビス ( Dark Abyss ) [ フレデリック・シェルデリュプ ( Fredrick Schjelderup ) ] ( 5:54 ) エイカンゲル=ビョルスヴィク・ムシックラーグ (Eikanger-Bj rsvik Musikklag) |
8 | シュガリア ( Sugaria ) [ エリック・サミュ ( Eric Sammut ) / arr. ライド・ギリエ ( Reid Gilje ) ] ( 6:06 ) スカーゲ・ロールヘイム (マリンバ) with タスタ・スクールバンド (Skage Rollheim with Tasta Skolekorps) |
9 | チューリング・テスト ( The Turing Test ) [ サイモン・ドブスン ( Simon Dobson ) ] ( 20:23 ) ヴァレイシア・ブラス・バンド (Valaisia Brass Band) |
DISC 2 | |
1 | ファンファーレとフローリッシュ ( Fanfare and Flourishes ) [ ジェームズ・カーナウ ( James Curnow ) ] ( 2:27 ) ワードル・アカデミー・ユース・バンド (Wardle Academy Youth Band) |
2 | ペリヘリオン:クロ―ザー・トゥー・ザ・サン ( Perihelion: Closer to the Sun ) [ フィリップ・スパーク ( Philip Sparke ) ] ( 20:10 ) オー=ド=フランス・ブラス・バンド (Hauts-de-France Brass Band) |
3 | パヴァーナ / ガリヤード ( Pavana / Galiarda ) [ アントニー・ホルボーン ( Anthony Holborne ) ] ( 4:28 ) カペラ・デ・ラ・トッレ (Capella de la Torre) |
4 | ザ・ロング・ウェイ・ホーム ( The Long Way Home ) [ ポール・マクギー ( Paul McGhee ) ] ( 4:33 ) ユース・ブラス・2000 (Youth Brass 2000) |
5 | チョーサーズ・チューン ( Chaucer's Tunes ) [ マイケル・ボール ( Michael Ball ) ] ( 11:11 ) ユース・ブラス・2000 (Youth Brass 2000) |
6 | オブリビオン(忘却) ( Oblivion ) [ アストル・ピアソラ ( Astor Piazzolla ) ] ( 4:10 ) アダム・ラッパ(トランペット) with エイカンゲル=ビョルスヴィク・ムシックラーグ (Adam Rapa with Eikanger-Bj rsvik Musikklag) |
7 | 天使の死 ( La Muerte del Angel ) [ アストル・ピアソラ ( Astor Piazzolla ) / arr. スヴェイン・ヘンリック・ギスケ ( Svein Henrik Giske ) ] ( 3:18 ) エイカンゲル=ビョルスヴィク・ムシックラーグ (Eikanger-Bj rsvik Musikklag) |
8 | タイム・フォー・アウトレイジ! ( Time for Outrage! ) [ マルコ・ピュッツ ( Marco P tz ) / arr. adpt. ポール・マクギー ( adpt. Paul McGhee ) ] ( 17:10 ) コーリー・バンド (Cory Band) |
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《スイス、フランス勢の躍進、ユースバンドのレベルの高さ。チャンピオンシップ・セクションだけじゃない、ヨーロッパのブラスバンドの今を知る》
毎年4月終わり〜5月始めに開催される、ヨーロピアン・ブラスバンド選手権。各ヨーロッパ諸国の予選を勝ち抜いた代表バンドがヨーロッパNo.1を決める、ブラスバンド界では非常に大きな意味を持ったコンテストです。
有名なのは最高峰であるチャンピオンシップ・セクションですが、このイベント中に様々な部門のコンテスト、そして全日程終了後にはコンサートが行われます。
このCDは以下の曲をハイライトとして収録しています。
チャンピオンシップ・セクション(最高峰)より
・課題曲
CD2-8:タイム・フォー・アウトレイジ!(コーリー・バンド / ウェールズ)※課題曲最高点・総合2位
・自由曲
CD1–9:ザ・チューリング・テスト(ヴァライシア・ブラス・バンド / スイス)※自由曲最高点・総合優勝
CD2-2:ペリヘリオン(オー=ド=フランス・ブラス・バンド / フランス)※自由曲2位・総合6位
チャレンジ・セクション(最高峰の一つ下)より
・課題曲
CD1-2:ミスティック・エコーズ(イタリアン・ブラス・バンド / イタリア)※優勝
・自由曲収録無し
ユース選手権 / 22歳以下の部 より
・課題曲
CD2-5:チョーサーズ・チューン (ユース・ブラス2000 / イングランド)※優勝
・自由曲
CD2-4:ザ・ロング・ウェイ・ホーム(同上)
ユース選手権 / 18歳以下の部 より
・課題曲
CD1-5:ヴァレリウス変奏曲(ワードル・アカデミー・ユース・バンド / イングランド)※優勝
・自由曲
CD2-1:ファンファーレとフローリッシュ(同上)
CD1-8:シュガリア(タスタ・スクール・バンド / ノルウェー)※最優秀ソロイスト(マリンバ / スカーゲ・ロールヘイム)
コンサート より
CD1-1:テンプル125(ヨーロピアン・ユース・ブラス・バンド / ヨーロッパ選抜)
CD1-4:アイボリー・ゴースト(同上)
CD1-6:プリティー・ドラッグド・フェアリー(K.O. ブラス!/ オランダ)※金管五重奏
CD2-3:パヴァーナ / ガリヤード(カペラ・デ・ラ・トッレ)※古典楽器バンド
CD1-7:ダーク・アビス(エイカンゲル=ビョルスヴィク・ムシックラーグ / ノルウェー)※2017年ヨーロピアン王者
CD2-6:オブリビオン(同上)
CD2-7:天使の死(同上)
元々ブラスバンドは19世紀イギリスで発祥し、他のヨーロッパの国々に普及していった音楽文化。1978年に生まれたこのコンテストは、今回で41年目を迎えました。
当然コンテストが始まった当初はイギリス勢(ほぼイングランド)が他を寄せ付けずに王座に君臨。しかし段々とイギリス以外の国が勝ち始め、2014〜2018年に限って言えば他の国のバンドが勝つほうが多くなっています。
特にノルウェーとスイスのレベルは凄まじく、ここ10年でそれぞれ2回ずつヨーロピアンを制しています。
この二国は、まだまだイギリスのバンドが猛威を振るっていた1980年代後半からイギリスの有名指揮者を呼ぶなど、ブラスバンドの発展に積極的でした。その取り組みが今、結果へと繋がっているのでしょう。
さて、このイベントのメインはチャンピオンシップ・セクション。各国の代表バンドが課題曲1曲、自由曲1曲の合計点数で競う部門です。今回の課題曲は「タイム・フォー・アウトレイジ!」。元々はマルコ・ピュッツが吹奏楽のために書き、このコンテストのためにポール・マギーがブラスバンド用に編曲したもの。
ウェールズのコーリー・バンドが98点(100点満点中)を獲得し課題曲でトップに躍り出ましたが、その前に立ちはだかったのが、スイスのヴァライシア・ブラス・バンド。20分を超える大作「ザ・チューリング・テスト」でなんと99点をマークし合計点数でコーリーを追い抜き、2018年のヨーロッパ王者となりました。
最近のヨーロピアンではイギリス以外の国の躍進が凄まじいのですが、今回それを象徴するのがフランスのバンド、オー=ド=フランス・ブラス・バンド。どちらかと言えばブラスバンド後進国であったフランスですが、フィリップ・スパークの「ペリヘリオン:クローザー・トゥー・ザ・サン」で98点という高得点を叩き出しました。課題曲の出来があまり良くなく最終的に6位で終えましたが、また今後、ヨーロッパのブラスバンドの力関係に変化が起きそうです。
ユース選手権で特に聴いて欲しいのが、「シュガリア」。ユースのコンテストでは必ず、任意の楽器のソロ曲を入れなければならないのですが、このバンドが選んだのはなんとマリンバ。
ソロイストは若干18歳の打楽器奏者、スカーゲ・ロールヘイム。とても18歳とは思えない緻密で感情豊かなこの演奏は、ぜひ金管奏者だけでなく打楽器奏者にも聴いて頂きたいです。この演奏で、今回の最優秀ソロイストを受賞しています。
他にも金管五重奏や古典楽器など、様々なジャンルが楽しめるこの一枚。是非一度手に取って、ヨーロッパの今を感じてみてください。
(2019年1月 元ブラック・ダイク・バンド打楽器奏者 福原泰明)
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