1. | 歌劇「皇帝の花嫁」序曲 ( The Tsar's Bride Overture ) [ ニコライ・リムスキー=コルサコフ ( Nicolai Rimsky-Korsakov ) / arr. ジョセ・シンス ( Jose Schyns ) ] ( 6:37 ) |
2. | 「ラプソディ・ポリリズミック」より パート1:サトゥルナール ( Rapsodie Polyrythmique: Part I. Saturnale ) [ ジュール・ストレンス ( Jules Strens ) ] ( 6:56 ) |
3. | レミニセンス・デアボリカ ( Reminiscence Diabolique ) [ アレクサンドル・コスミッキ ( Alexandre Kosmicki ) ] ( 15:29 ) |
4. | パルミラ遺跡 ( The Ruins of Palmyra ) [ アミル・モルックポーア ( Amir Molookpour ) ] ( 12:32 ) |
5. | 風の影:パート1 忘れられた本の墓場 ( L'ombre du Vent: Part I. Le cimetiere des Livres oublies ) [ ローレント・ボモント ( Laurent Bomont ) ] ( 7:20 ) |
6. | 風の影:パート2 ペネロペとフリアン ( L'ombre du Vent: Part II. Penelope et Julian ) [ ローレント・ボモント ( Laurent Bomont ) ] ( 8:20 ) |
7. | 風の影:パート3 ヴィラ・アリダヤ ( L'ombre du Vent: Part III. Villa Aldaya ) [ ローレント・ボモント ( Laurent Bomont ) ] ( 7:01 ) |
8. | ミューテイションズ ( Mutations ) [ バルト・ピッケール ( Bart Picqueur ) ] ( 11:47 ) |
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HAFABRAのMasterpiecesシリーズはHAFABRA MusicのカタログCDのひとつではあるのですが、カタログの中でも特にクオリティの高い作品を、ベルギー・ギィデのクオリティの高い演奏でお届けする、という、僕のようなリスナーにとっては夢のような企画のシリーズで、毎回ハズレがありません。
新作の「Mutations」も、1曲目の「歌劇『皇帝の花嫁』序曲(The Tsar's Bride Overture)」の静かな1発目から「ああもう、これよ!」と言いたくなる痛快なサウンドが突き抜けていきます。毎回思うけど、ギィデ上手すぎるだろ・・・。
「歌劇『皇帝の花嫁』序曲」はリムスキー=コルサコフの作品で、トランスは安定のジョセ・シンス(Jose Schyns)。この人に任せておけば間違いなしといった感じで、HAFABRAは本当によい編曲家を抱えているなあと思います。(もちろん難易度も高いので良いバンドがあってこそな気もしますが)
他の作品はすべてオリジナル作品ですね。
「ダンス・フュナンビュレスク」などが少し日本でも知られているかもしれないベルギーの作曲家ジュール・ストレンスの「ラプソディ・ポリリズミック(Rapsodie Polyrythmique)」は、全部で3パートに分かれている作品のようで、今回はパート1の「サトゥルナール(Saturnale)」だけが収録されています。
ダークで緊張感のある冒頭からワクワクドキドキハラハラしっぱなしの、「さすがストレンス」というクラシカルで劇的な作品です。残りのパートは今後のCDに収録予定とのことなので、楽しみですね。
3曲目はフランス出身の作曲家アレクサンドル・コスミツキ(Alexandre Kosmicki)の「レミニセンス・ディアボリーク(Reminiscence Diabolique)」。直訳すると悪魔の想い出、みたいな意味です。以前にも同じMasterpiecesシリーズに「悪魔のダンス(Danse Satanique)」が収録されているので、悪魔が好きなのかな・・・という気がしますが、これがまたさすがMasterpiecesに入る作品。
前のストレンスと同じように冒頭はダークですが、それがあくまでも嵐の前の静けさだということにすぐに気づかされます。気づけば嵐の真っ只中!ドラマティックな音楽が次々と展開され、息をつく間もありません。派手な音響に耳が持っていかれがちですが、メロディーの美しさがあってこそ、という作品ですね。
そしてお次はコスミツキと同じく僕が勝手に推しているイラン出身の作曲家アミル・モルックポーア(Amir Molookpour)の新作「パルミラの遺跡(The Ruins of Palmyra)」。パルミラの遺跡はシリアにあったローマ帝国時代の都市遺跡で、世界遺産にも登録されていましたが、近年、ISによって破壊されてしまいました。
また「パルミラ」は紀元前から栄えた地域で自治の後に独立もしていますが、ローマ皇帝ティベリウスの時代にローマの属州となっています。3世紀にはサーサーン朝(ペルシャ)とも敵対し一時期勢力を拡大したようですが、最終的にはローマにも反旗を翻し、鎮圧され、ローマ軍の基地となってしまいました。モルックポーアの故郷イランのルーツでもあるペルシャとも関係する地域だったわけですね。
ペルシャ音楽を研究しているモルックポーアらしく、中東的な旋律が印象的な作品ですが、ストーリーを追うようなドラマティックさというよりは、それこそテレビ番組「世界遺産」でも見ているかのような、音楽からパルミラの雰囲気が伝わってくるような作品です。ところどころに出てくる勇壮なローマ的なメロディは、栄華を誇った頃の面影を映しているのかもしれません。モルックポーアらしいといえばらしいけれども、今までとは少し違う。今のところ最高傑作かもしれません。
続いてはフランスの作曲家、ローラン・ボーモン(Laurent Bomont)の「風の影(L'ombre du Vent)」。3つのパートからなる作品です。これまでの比較的ダイナミックな作品とは異なり、小ぶりながらしっかりと聴かせる作品に仕上がっています。ガブリエリやプレトリウスの影響も少し感じさせるようなイタリア音楽的な要素、教会音楽的な要素が少し入っているのも興味深いですね。このアルバムの中では異色の作品ですが、一服の清涼剤のような役目を果たしています。その教会音楽的な部分と、ところどころ炸裂する部分のコントラストに独特のセンスを感じる、注目の作曲家です。
最後は日本のアルバムにも「交響曲第0番」「ガリア戦記」が収録されたのでこのアルバムの中では最も日本で知られているのではないかという(リムスキー=コルサコフを除く)、バルト・ピクール(Bart Picqueur)の「ミューテイションズ(Mutations)」。少し話が逸れますが「Picqueur」の発音が実はとても難しくて、便宜上僕はピクールを採用しているのですが、ピはまあ良いとしてクのあたりがクともケともつかないような発音だったり、その後の母音連打も難しいところで、それっぽい発音に近づけると「ピック(ケ)ーウ」みたいな雰囲気になるようなのですが、はてさて。
それはさておき「ミューテイションズ」。以前はBeriatoから作品を出版していましたが近年はデ・ハスケ系列(というかハル・レナード・グループ)から距離を置き、2015年には自分の出版社「Minor Scale Music」を設立、そこからの出版が多かったので、HAFABRAのような出版社から出版するのも久しぶりではないかなという気がしますが、このアルバム全体に共通する「ダークな冒頭」をこの作品でも聴くことが出来ます。しばらくすると彼らしい神経質に細かい高音、地響きのような低音、朗々と歌う中音、そんな感じで曲が進んでいきます。リズミカルな聴かせどころがあるのも彼らしいですね。元々明るい作風ではないのでこれまで通りといえばこれまで通りなのですが、やはりリズムの使い方と各楽器の中低音域の使い方は面白いですよね。ヘヴィロックみたいなものでしょうか。重心が低くて音が分厚く、ピクールの世界を満喫できる作品です。
それにしてもさすがのクオリティ!聴かないのは人生損してるかもしれません。久々にハートが燃えたぎるアルバムでした。
レビュー:梅本周平(Wind Band Press)
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