1. | The Girl in the Tree [ Mats Holmquist ] ( 7:09 ) solo: Dick Oatts |
2. | The Same Old Song [ Mats Holmquist ] ( 6:47 ) solo: Randy Brecker |
3. | Friends & Enemies [ Mats Holmquist ] ( 10:17 ) solo: Dick Oatts |
4. | Stevie R. [ Mats Holmquist ] ( 6:18 ) solo: Randy Brecker |
5. | Ballade [ Mats Holmquist ] ( 5:47 ) |
6. | A Quick Ride in a Jazz Mobile [ Mats Holmquist ] ( 8:11 ) solo: Randy Brecker |
7. | To the Bitter End [ Mats Holmquist ] ( 9:59 ) solo: Dick Oatts and Randy Brecker |
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2014年にリーブマンのビッグバンドにアレンジを提供してからのマッツ・ホルムキストのアルバムリリースのペースには驚くべきものがあります。
今回のアルバムは2015年にディック・オーツとの双頭名義のビッグバンドでのハンコックトリビュートを録音した直後くらいから手がけていたプロジェクトです。ラトヴィアのラジオビッグバンドにディック・オーツとランディ・ブレッカーをソリストに据えるという編成です。
マッツはスウェーデンの王立音楽院とノーステキサスで修士を取っているというジャズもクラシックも研究し尽くしている碩学で、近年はビッグバンドにミニマルミュージックを融合させたBig Band Minimalismを標榜しています。過去の2枚のアルバムにもそうした指向性ははっきり見えるのですが、今回は全曲彼のオリジナルコンポジションということで、今やりたいこと、考えていることを全て盛り込んだ作品と言っていいように思います。2014年から徐々にステップを踏んでようやく全面展開に持ち込んだ、というところでしょうか。ビッグバンドのフォーマットではありますが、音楽の様式としてはジャズよりもミニマルがやや重いので、グリグリスイングする4ビートとか軽快なラテン系、みたいなものとは少し違う音楽になりますし、ホーンアレンジにはカノンエフェクト(輪唱みたいなもの)が多用されているので、やはりグルーヴするフレーズ群、というよりはサウンドのタペストリーみたいなものが重たくなります。また、恐らくはいわゆるジャズの和声の理論みたいなものに従って書いていないと思われるので、ブルージーな要素も希薄です。そういう意味ではジョージ・ラッセル好きな人には違和感なく入るサウンドとも思えます(マッツはリディアンクロマチックコンセプトの人ではないです)。マッツのハーモニーのセンスは実に強力で、普段ビッグバンドのサウンドに慣れ親しんだ人には「???」と感じる音も平気で書いてくるんです。囲碁将棋でいうと悪手みたいに見えるものなんですが、それが抜けると意図した響きにならないんです。悪手に見えるけど実は妙手、な感じです。そこまで計算されて書かれています。実に緻密な譜面です。
ゲストソリストのディック・オーツとランディ・ブレッカーも好演です。ディック・オーツは前作からの参加ですが、ディックとマッツは相当意気投合しているのではないかと思います。80年代のメル・ルイス・ジャズ・オーケストラはモダンビッグバンドアレンジメントのショウケースみたいな役割を果たしていて(メルの最晩年までサドの曲は録音していない)、ブルックマイヤーやマクニーリーを軸としつつ様々なモダンなアレンジメントを提供しましたが、ディックはマッツのアレンジにかつてメルのバンドでやってたことと同じような感覚を持っているのかも、と思えるのです。新しいアレンジメントを世界におろすことにコミットする、という点で。ランディのソロもいつものランディ節を控えめにした感じでうまくマッツの音楽にさや寄せしているように思えます。ミニマルな音楽の上でのソロワークではいわゆるスケールアウト的なことって案外サウンドしない、って一昨年マッツが言っていたことを思い出します。
さらに特筆すべきはラトヴィアのビッグバンド!ヨーロッパの放送局ビッグバンドのメンバーって大抵クラシックもできるような人が多くて音程、技量とも完璧な人が多いわけですが、ここも御多分にもれずものすごいバンドです。全く情報がない状態だったので、このサウンドには驚きました。マッツはジェイミーからビッグバンドのトレーニング的メソッドというか本も出版しているんですが、おそらくはそうしたディレクションもバッチリ効いているんだと思います。
前作のハンコックトリビュートはリハ1回、スタジオ入って6時間で全部終了、というNYCファーストコール仕事で製作されたもので、それはそれで凄いのですが、良くも悪くもはい一丁上がり、な感じではなかったかと思うんです。それに比較すると本作は入念なリハが重ねられたことが伺えます。保守本流なビッグバンドサウンドとは少し違いますが、マリア・シュナイダー以降のコンテンポラリーなサウンドを探している人にはこのアレンジメントはマストと言えるでしょう。通して聴いて1番驚いたのは#6の A Quick Ride in A Jazz Mobileでした。書く方も書く方なら演奏する方も演奏する方、な感じの難曲ですが、これグラミーのベストラージジャズアレンジメント取ってもおかしくないオリジナリティと強力さがあります。ミキシング、マスタリングの感じも素敵です。先日のUMOのアルバムでも感じたのですが、ヨーロッパのミックスの方が自然な響きができてる気がします。
ともあれ、コンテンポラリーなサウンド好きな方にはこれもマストアイテムと思えます。
(2017年6月 辰巳哲也)
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