1. | イタリア奇想曲 ( Capriccio Italien ) [ ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー ( Peter Illitch Tchaikovsky ) / arr. ジョセ・シンス ( Jose Schyns ) ] ( 15:45 ) |
2. | トランペット協奏曲 ( Concerto for Trumpet ) [ アレクサンドル・アルチュニアン ( Alexander Arutiunian ) / arr. ジョセ・シンス ( Jose Schyns ) ] ( 16:36 ) トランペット・ソロ:イエルーン・ベルワルツ (Jeroen Berwaerts) |
3. | 悪魔のダンス ( Danse Satanique ) [ アレクサンドル・コスミッキ ( Alexandre Kosmicki ) ] ( 10:35 ) |
4. | 何百万ものたくさんの星! ( Millions, millions, et millions d'etoiles! ) [ マキシム・オーリオ ( Maxime Aulio ) ] ( 5:39 ) |
5. | シンフォニア・ジャパネスク:第1楽章 わらべうた ( Symphonia Japanesque: I. Warabe-uta (Children Songs) ) [ 福田洋介 ( Yousuke Fukuda ) ] ( 6:50 ) |
6. | シンフォニア・ジャパネスク:第2楽章 鎮守の森 ( Symphonia Japanesque: II. Chinju-no-mori (Ancient Forest) ) [ 福田洋介 ( Yousuke Fukuda ) ] ( 6:21 ) |
7. | シンフォニア・ジャパネスク:第3楽章 まつり ( Symphonia Japanesque: III. Matsuri (Festive) ) [ 福田洋介 ( Yousuke Fukuda ) ] ( 5:15 ) |
8. | バレエ音楽「赤いけしの花」より、ロシア水平の踊り ( Russian Sailors' Dance from "The Red Poppy" ) [ レインゴリト・グリエール ( Reinhold Gliere ) / arr. ジョセ・シンス ( Jose Schyns ) ] ( 3:39 ) |
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ベルギーの楽譜出版社ハファブラ・ミュージックが制作しているマスターピース・シリーズは、ハファブラ・ミュージックが出版している吹奏楽のオリジナル曲とクラシックからの編曲からマスターピースと呼ぶにふさわしい作品を集めたアルバムです。楽譜の参考音源という位置付けではあるのですが、演奏は世界最高峰の吹奏楽団であるベルギー・ギィデ交響吹奏楽団が担当しており、それだけでも一聴の価値があります。また、収録曲の配置にも工夫が凝らされていて、通して聞くとアンコールまで含む一つのコンサートのような構成になっていることも魅力の一つと言えるのではないでしょうか。
「魔王の踊り」と題されたシリーズ第11集では、ハファブラ・ミュージックを経営するルイ・マルティヌスの委嘱で作曲されたフランスと日本の作曲家による吹奏楽のオリジナル曲3曲と、クラシックからの編曲3曲が収録されています。
フランスの作曲家アレクサンドル・コスミッキが書いた表題曲の「魔王の踊り」は、その曲名どおり不気味な雰囲気を持つ激しい舞曲です。ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートでも取り上げられたヨーゼフ・ヘルメスベルガーII世の「悪魔の踊り」と同様に、タイトルだけの単におどろおどろしい音楽ではなく、美しい響きの魅力も感じさせる作品ですが、さまざまなパートにアクロバティックなパッセージが盛り込まれ、その展開は最後まで息もつかせません。それぞれ2部に分かれる2パートのクラリネットに2本のソロクラリネットが別に指定され、トランペットとトロンボーンがそれぞれ4パート、テナーサクソフォーン、ユーフォニアム、バスがそれぞれ2パートという、フランス式の大編成吹奏楽のために書かれており、その音のパレットをフルに活かしたゴージャスなサウンドも注目に値します。
コスミッキは1978年に生まれ、フランス北部ノール・パ・ド・カレ州にあるドゥエ地方音楽院でクラリネットを学び、さらに音楽書法や管弦楽法、指揮法を修得しました。2001年からパリ国立高等音楽院でベルナード・ド・クレピ、ジャン=フランソワ・ジジェル、ティエリー・エスケシュに師事し、和声法、対位法、フーガ、管弦楽法の4つで1等賞を受賞しました。現在はフランス海軍ブレスト音楽隊の副指揮者を務めています。日本では作曲家としてまだほとんど知られてはいませんが、「ユーフォニアム協奏曲」がコンサートで取り上げられるなど、秘かに注目を集めつつある作曲家です。
マクシム・オーリオもフランスの新しい世代を代表する作曲家の一人です。1980年にフランス北部のシャルトルで生まれ、初めはオルガンを、すぐにハープシコードと打楽器を学び始めました。後にトゥールーズ国立地方音楽院でホルンも学んでいます。独学で作曲を習得した後、ベルギーのレメンス音楽院でファンデルローストに師事し、2006年に作曲と管弦楽指揮法で修士号を取得しました。2008年にはフランス軍楽隊長選任試験に合格し、ヴェルサイユに本拠地を置くフランス陸軍中央音楽隊の副指揮者に就任しています。いくつかの作品がデ・ハスケから出版され、日本でも紹介されていますので、すでにその作品をお聞きになった方も多いでしょう。
「何百万ものたくさんの星!」作品38は、2014年に作曲され、2015年5月9日にベルギーのリエージュ劇場で作曲者の指揮、リエージュ王立音楽院吹奏楽団の演奏で初演されました。タイトルは、「レ・ミゼラブル」や「ノートルダム・ド・パリ」で知られるフランス・ロマン主義の作家ヴィクトル・ユゴーの叙事詩集「諸世紀の伝説」第2部の中の「天の川」の一節から取られています。金属打楽器による神秘的な雰囲気で始まり、数えきれないくらいのきらめく星のような輝かしさや深遠な宇宙を思わせる中低音の動きが印象的な、演奏時間が5分半ながらスケールの大きさを感じさせる作品です。
2004年の全日本吹奏楽コンクール課題曲になった「吹奏楽のための『風之舞』」や2012年の課題曲「さくらのうた」をはじめ、作編曲家として活躍する福田洋介の作品がハファブラ・ミュージックから登場しました。アルバムのメインに置かれている「シンフォニア・ジャパネスク」は、委嘱に際しての「日本の伝統を感じさせる作品を」というリクエストに応えて、和のテイストをふんだんに盛り込んだ3楽章からなる交響曲として作曲されました。
第1楽章「わらべうた」は、「はないちもんめ」「あんたがたどこさ」「かごめかごめ」「とおりゃんせ」「ずいずいずっころばし」の旋律をモダンなハーモニーやオーケストレーションを用いて現代的な味付けで聞かせます。第2楽章「鎮守の森」は穏やかなアダージョの緩徐楽章で、神楽や謡の雰囲気を醸し出しています。第3楽章「祭り」は、笛や太鼓、チャンチキの祭囃子のリズムに乗って血沸き肉躍る勇壮な祭りで高揚します。親しみやすさを持ちながらも、「日本風の交響曲」の名にふさわしい作品となっています。
ハファブラ・ミュージックが誇る編曲者陣の中でも、ベルギー・ギィデ交響吹奏楽団のトロンボーン奏者を務めながら数多くの質の高い作品を世に送り出しているジョゼ・シンスの編曲は、吹奏楽ファンなら見逃すことはできません。いずれも原曲の管打楽器セクションをほとんどそのまま残し、曲の雰囲気を最大限に活かした、充実した編成と高い技術を要するものばかりですが、力のあるバンドには魅力的に映るのではないでしょうか。このCDにはロシアと旧ソ連で活躍した作曲家の作品が収録されています。
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキーは3大バレエをはじめ交響曲や協奏曲、室内楽曲に至るまでさまざまなジャンルの作品を作曲していますが、特に管弦楽曲は古くから吹奏楽に編曲されしばしば演奏されています。「イタリア奇想曲」作品45も吹奏楽のレパートリーとしてよく演奏されている人気が高い作品の一つです。結婚生活の破綻による心の傷を癒すため1879年暮れから翌年4月にかけてイタリアを訪れたチャイコフスキーは、ロシアでは体験できない明るさと暖かさ、そして数多くの歴史的な遺産に魅了され、創作意欲を刺激されました。民謡集や現地で耳にした歌や音楽を書きとめ、帰国後にそれらを素材にして大きく5つの部分からなる管弦楽のための奇想曲として完成させました。華やかな管弦楽法とイタリア情緒に満ちた音楽は、多くのチャイコフスキーの作品の中でもとりわけ明るい雰囲気を持ち、旧暦1880年12月6日にモスクワでのロシア音楽協会の演奏会で友人ニコライ・ルビンシテインの指揮によって行われた初演は、好評をもって迎えられたと伝えられています。
チャイコフスキーが逗留していたホテルに隣接する騎兵隊の兵舎から毎日聞こえてきたラッパの旋律を基にしたファンファーレで始まり、奇想曲の名が示すとおり形式に縛られずに、巧みに配置された優雅な民謡やタランテラ舞曲を交えながら熱狂的なクライマックスへと突き進みます。なお、原曲はイ長調ですが、この編曲では吹奏楽の特性を考慮して半音上げた変ロ長調になっています。
1920年にアルメニアの首都エレヴァンで生まれたアレクサンドル・アルチュニアンは、アルメニアの民俗音楽を取り入れた作品で知られています。その中でもっとも有名なのは、1949年から1950年にかけて作曲された「トランペット協奏曲 変イ長調」でしょう。今日ではハイドンやフンメルの古典派の名協奏曲と並んでトランペット奏者の主要なレパートリーとして広く演奏されているトランペット協奏曲の代表曲です。演奏時間15分ほどの単一楽章形式の協奏曲で、アルメニアの民俗音楽やジャズを思わせるメランコリックな旋律が耳を引きます。旧ソ連の世界的な名トランペット奏者だったティモフェイ・ドクシツェルの演奏で広く知られるようになり、終盤のカデンツァはドクシツェルが書いています。客演を迎えてコンサートに花を添えるレパートリーとなるでしょう。
このCDでの独奏は1975年生まれのベルギーのトランペット奏者イェルーン・ベルワールツです。ベルワールツは、ラインホルト・フリードリヒに師事し、1991年のモーリス・アンドレ国際コンクールや1997年の「プラハの春」国際音楽コンクールで優勝するなど多数の受賞歴を誇ります。1999年にハンブルク北ドイツ放送交響楽団の首席奏者になり、2008年からはハノーファー音楽大学で後進の指導にあたっています。バロックから現代音楽、ジャズに至るまで幅広いレパートリーを持つベルワールツは、この協奏曲の演奏でもその技術を遺憾なく発揮しています。
アルバムの最後に置かれているのは、ソ連時代に活躍したレインゴリト・グリエールが1927年に作曲したバレエ音楽「赤いけしの花」から、第1幕で演奏される「ロシア水兵の踊り」です。バレエ自体は中国を舞台にした悲恋の物語ですが、ロシア民謡「小さなリンゴ」が使われたこの曲は、バレエ音楽の中でもっともよく知られているものです。オーケストラでも単独で取り上げる機会が多く、アンコールピースとしてもしばしば演奏されます。いかにもロシア風の踊りの音楽が、だんだん早くなって盛り上がる、コンサートの最後を締めくくるにふさわしい華やかな小品です。
楽譜はいずれもハファブラ・ミュージックから出版されており、お取り寄せできます。コンサートのメインにもなり得る充実した内容の作品揃いですので、ぜひ選曲にもご利用ください。
(2015.10)
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