1. | 序曲「謝肉祭」 ( Carnival Overture ) [ アントニン・ドヴォルザーク ( Antonin Dvorak ) / arr. ジョセ・シンス ( Jose Schyns ) ] ( 9:40 ) |
2. | バッハザイツ:エレジー ( Bachseits: Elegy ) [ ヨハネス・シュテルト ( Johannes Stert ) ] ( 3:28 ) |
3. | バッハザイツ:間奏曲 ( Bachseits: Intermezzo ) [ ヨハネス・シュテルト ( Johannes Stert ) ] ( 2:15 ) |
4. | バッハザイツ:アンダンテ・ポンポーソ、フーガ・アンド・フィナーレ ( Bachseits: Andante pomposo, fugue and finale ) [ ヨハネス・シュテルト ( Johannes Stert ) ] ( 6:51 ) |
5. | いざ来ませ、異邦人の救い主よ ( Nun Komm, der Heiden Heiland ) [ J.S. バッハ ( Johan Sebastian Bach ) / arr. ヨハネス・シュテルト ( Johannes Stert ) ] ( 4:13 ) |
6. | イダ・ファールト・シュリットシュー ( Ida fahrt Schlittschuh ) [ ヨハネス・シュテルト ( Johannes Stert ) ] ( 7:36 ) |
7. | 交響曲第68番「バベルの塔」:パート1 ( Symphony No. 68 "The Tower of Babel": Part 1 ) [ デリク・ブージョワ ( Derek Bourgeois ) ] ( 8:01 ) |
8. | 交響曲第68番「バベルの塔」:パート2 ( Symphony No. 68 "The Tower of Babel": Part 2 ) [ デリク・ブージョワ ( Derek Bourgeois ) ] ( 13:18 ) |
9. | 交響曲第68番「バベルの塔」:パート3 ( Symphony No. 68 "The Tower of Babel": Part 3 ) [ デリク・ブージョワ ( Derek Bourgeois ) ] ( 5:08 ) |
10. | 交響曲第68番「バベルの塔」:パート4 ( Symphony No. 68 "The Tower of Babel": Part 4 ) [ デリク・ブージョワ ( Derek Bourgeois ) ] ( 10:12 ) |
11. | シンフォニエッタ第1番:第1楽章 ( Sinfonietta No.1, 1st mov. ) [ モイセイ・ヴァインベルク ( Mieczyslaw Weinberg ) / arr. デイヴィッド・ボブロヴィッツ ( David Bobrowitz ) ] ( 4:58 ) |
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ベルギーの楽譜出版社ハファブラ・ミュージックが制作した、同社の比較的難度の高い作品を集めたマスターピース・シリーズの第9弾です。イギリス出身の作曲家デリック・ブージョワの交響曲を中心に吹奏楽のオリジナル曲と編曲作品のあわせて6曲が収録されており、今回も聞き応え抜群のアルバムとなっています。
「コッツウォールド交響曲」や「ウィンド・ブリッツ」などの吹奏楽曲や「ブリッツ」や「コンチェルト・グロッソ」などのブラスバンド曲で知られる作曲家デリック・ブージョワは、これまでに87曲にも及ぶ交響曲をはじめ350曲を超える作品を作曲しています。タイトル曲の交響曲第68番「バベルの塔」作品316aは、元々は2011年に3管編成の管弦楽のために作曲されたもので、作曲者により2012年にここに収録されている吹奏楽版が作られました。実は「バベルの塔」というタイトルは元の管弦楽版にはなく、吹奏楽への編曲時に新たに付けられたものです。そのため曲自体は標題音楽としての特定の情景描写やストーリーは持っておらず、各部の具体的な説明もないのですが、曲を通して聞いてみると旧約聖書の創世記に記されたバベルの塔の物語を思い起こさずにはいられないでしょう。第1楽章は劇的なアレグロ・コン・フオーコ、第2楽章はレント・モデラートの緩徐楽章、第3楽章はアレグロ・ミステリオーソのスケルツォ、第4楽章はモデラート・コン・モートの美しい中間部や華麗なアレグロ・ヴィヴァーチェの部分を持つアレグロ・モデラートの終曲という、典型的な4楽章構成の交響曲のスタイルで書かれています。演奏時間は36分にも及ぶ大作ですが、随所にブージョワらしい響きとアイデアが盛り込まれており、ストーリーはなくても聞く者を惹きつけて止みません。充実した編成を持った実力のあるバンドに演奏してほしい1曲です。
さて、このアルバムのもう一つの注目はヨハネス・シュテルトの作品です。
シュテルトは1963年にドイツのフライブルクで生まれ、ピアノ、ヴァイオリン、トロンボーンを学んだ後、指揮者としての道に進みました。ケルン歌劇場の首席指揮者やグラーツ歌劇場の首席客演指揮者などを務め、ポルトガルやデンマーク、韓国などでも客演指揮者として迎えられています。吹奏楽の作編曲も手がけており、ハファブラ・ミュージックから出版されることになった3曲がこのCDに収録されています。
「バッハザイツ」は、ヨハン・ゼバスチャン・バッハが作曲した無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌをモチーフに、大編成の吹奏楽のための3曲からなる幻想曲として作曲されました。「パルティータ第2番 ニ短調」BWV.1004の第5曲として書かれたこのシャコンヌは単独でもよく演奏される非常に有名なヴァイオリン独奏曲ですが、その音楽の普遍的な魅力から、ブラームスやブゾーニによるピアノ版、ストコフスキーや斎藤秀雄による管弦楽版、ニールセンによる弦楽合奏版など古今さまざまな編曲が作られてきました。吹奏楽の編曲も複数存在し、それぞれが編曲家の腕の見せ所となっていますが、このシュテルトの作品はバッハのこの名曲のエッセンスを現代的な手法で自由なスタイルに編み直し、新しい命を吹き込んでいます。「エレジー」「間奏曲」「アンダンテ・ポンポーゾ、フーガ、終曲」の3曲からなり、アルトフルートやピッコロトランペット、それぞれ2声に分かれたバスクラリネットやユーフォニアム、テューバ、さらにリコーダーも用いられ、独特のサウンドを構築しています。
続けて収録されているのはバッハのオルガン曲からの吹奏楽編曲で、ライプツィヒ・コラールとして知られるコラール前奏曲集から「いざ来たれ、異教徒の救い主よ」BWV.659が、やはり大編成の吹奏楽のために編曲されています。
もう1曲、「悲劇的ユモレスク」というサブタイトルで2004年に作曲された「イダはスケートする」もシュテルトのサウンドの妙を楽しめる1曲です。ヨーロッパで主流となっている大編成吹奏楽の機能を駆使したこれらの作品は、日本でも今後注目を集めることでしょう。
クラシックの管弦楽曲からの編曲もこのシリーズの聞きどころではないでしょうか。ここではトロンボーン奏者としても活躍する2人の編曲者の手による作品がアルバムのオープニングとラストを飾っています。
チェコの作曲家アントニン・ドヴォルザークの序曲「謝肉祭」作品92は、ドヴォルザークがニューヨークのナショナル音楽院の院長として招聘されてアメリカに渡る直前に書いた、演奏会用序曲三部作「自然と人生と愛」の第2部にあたります。第1部の「自然の中で」作品91、第3部の「オセロ」作品93とともに1892年4月28日に作曲者自身の指揮で初演されました。組曲として3曲続けて演奏されることを想定して作曲されましたが、この「謝肉祭」がもっとも有名で単独で演奏されることも多く、吹奏楽でもしばしば演奏されています。タイトルは後から付けられたもので元々は具体的な謝肉祭の情景を描いたものではありませんが、叙情的な中間部を持ちながらもタンブリンやトライアングルが活躍するタイトルどおりの華やかな作品となっています。ベルギー・ギィデ交響吹奏楽団でソロ・トロンボーン奏者も務めるジョゼ・シンスの編曲は、その豊かな色彩を活かしたものとなっています。なお、原曲はイ長調ですが、この編曲では長二度下げてト長調で書かれています。
そしてアルバムの最後は、ポーランド出身でソ連などで活躍したミェチスワフ・ヴァインベルグの作品から、1948年に作曲した「シンフォニエッタ第1番」作品41の第1楽章「アレグロ・リゾリュート」です。1919年にユダヤ人の家族に生まれ、ナチス・ドイツのポーランド侵攻を逃れてソ連に亡命したヴァインベルグは、ショスタコーヴィチと親交を深め、スターリンの弾圧に遭いながらも番号付きだけで19曲もの交響曲や7曲のオペラ、17曲の弦楽四重奏曲など、管弦楽曲や室内楽曲などを作曲し、また多くの映画音楽を手がけました。ショスタコーヴィチの影響が強く見られるその作品は内省的なものが多いのですが、全4楽章で20分強の「シンフォニエッタ第1番」はその出自であるユダヤ的な素材を基にしたむしろ陽気でにぎやかな音楽となっています。ここではその第1楽章をフリーランスのバストロンボーン奏者として活躍するとともに作編曲家としても知られるダニエル・ボブロヴィツの編曲でお楽しみください。
演奏は、ベルギー王室の至宝とも言うべき国王付き近衛軍楽隊のベルギー・ギィデ交響吹奏楽団です。1832年にベルギーの初代国王レオポルド1世の私設楽団として創設されて以来、ベルギーのみならずヨーロッパを代表する吹奏楽団として世界的に知られています。厳しいオーディションを経て選抜された84名の楽員と22名の騎兵ラッパ隊員から構成され、王室行事だけでなく軍や民間での儀礼の演奏の他、ベルギーの現代作曲家の作品の紹介にも力を注いでいます。指揮を務めるイヴ・セヘルスは1978年生まれで、早くからフルートと指揮法を学び、2001年にはベルギー・ギィデ交響吹奏楽団に首席フルート奏者として入団しています。2006年にベルギーの軍楽隊楽長登用試験をパスし、2008年4月にベルギー・ギィデ交響吹奏楽団の楽長に就任しました。
グレードの高い優れた作品がハイレベルで上品な演奏と豊かな響きで収録されているだけでなく、曲が幕開きの序曲からメインの交響曲にアンコールに至るまで1回のコンサートを聞いているかのように配置されていますので、観賞用としても楽しめる1枚です。
楽譜はいずれもハファブラ・ミュージックから出版されており、お取り寄せできます。
(2013.10)
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