1. | エクストリーム・ベートーヴェン 〜ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの主題による変容〜 ( Extreme Beethoven ) [ ヨハン・デ・メイ ( Johan de Meij ) ] ( 18:12 ) |
2. | UFOコンチェルト ( UFO Concerto ) [ ヨハン・デ・メイ ( Johan de Meij ) ] ( 23:42 ) ユーフォニアム・ソロ:デヴィッド・チャイルズ (David Childs) |
3. | シンフォニエッタ第1番 ( Sinfonietta No. 1 ) [ ヨハン・デ・メイ ( Johan de Meij ) ] ( 15:28 ) |
4. | 天国の天使 (歌劇「修道女アンジェリカ」より) ( Angelo del Cielo ) [ ジャコモ・プッチーニ ( Giacomo Puccini ) / arr. ヨハン・デ・メイ ( Johan de Meij ) ] ( 4:58 ) ユーフォニアム・ソロ:デヴィッド・チャイルズ (David Childs) |
5. | キャッツキル山地の歌 ( Songs from the Catskills ) [ ヨハン・デ・メイ ( Johan de Meij ) ] ( 8:38 ) |
6. | ホローポ ( Joropo ) [ モイセス・モレイロ ( Moises Moreiro ) / arr. ヨハン・デ・メイ ( Johan de Meij ) ] ( 3:17 ) |
7. | 妖精の踊り ( Dance of the Elves ) [ ダーヴィト・ポッパー ( David Popper ) / arr. ヨハン・デ・メイ ( Johan de Meij ) ] ( 3:03 ) |
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チャイコフスキーの有名な作品を再構成して仕立て上げた「エクストリーム・メイクオーヴァー」で作曲家として新たな境地を開いたヨハン・デ・メイがまたもやってくれました。「エクストリーム・メイクオーヴァー」と同じコンセプトで次に取り上げたのが楽聖ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン、そしてタイトルはずばり「エクストリーム・ベートーヴェン」。
オランダ南部の小都市ケルクラーデで4年に1度開かれる世界音楽コンクール(WMC)の組織委員会からの委嘱を受けて、2013年7月に開催される吹奏楽の第1部門の課題曲として2012年に作曲されました。公式な世界初演は、このCDの3日間のレコーディングの翌日、2012年12月30日に同じラリン市音楽堂で行われたラリン吹奏楽団の演奏会で行われています。
基本的な構成は「エクストリーム・メイクオーヴァー」と同じで、まず初めにベートーヴェンが1808年から1809年にかけて作曲した、「皇帝」の名で知られる「ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調」作品73の第2楽章の冒頭部分がそのままの形で演奏された後、「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの主題による変容」というサブタイトルどおり、9つの交響曲や「エグモント」序曲、あるいはピアノソナタ第14番「月光」や「エリーゼのために」、「トルコ行進曲」といった有名な作品がほとんどそのまま、あるいは面影をわずかに残す程度に大きく形を変えてパッチワークのように組み合わされて次々に現れます。客席やステージ横からバンダが乱入してきてチャールズ・アイヴズの作品のように全体合奏とは独立した別のテンポで演奏するといった指示もあり、シアターピースの様相も呈してきます。やがて「エグモント」序曲の音形が執拗に繰り返される中、曲は輝かしい終幕へと向かいます。演奏時間は18分におよび、世界最高レベルの吹奏楽コンクールの課題曲ということで非常にグレードが高く、特に金管楽器には相当のスタミナが要求されます。ピッコロ2パートを含む4パートのフルート、2パートのテナーサクソフォーン、3パートのトランペットの他に2パートのコルネット、バスを含む4パートのトロンボーン、そしてチェロ、ハープ、ピアノなど、WMCで主流となっている大編成吹奏楽での演奏が前提となっています。単に演奏技術だけでなく演出にも気を配るように書かれており、もちろん課題曲としてでなくコンサートのプログラムとしても世界各地で演奏されつつあります。
世界的に見ても吹奏楽ではあまり演奏される機会の多くないベートーヴェンの作品が、デ・メイの手で新たな吹奏楽のレパートリーとして生まれ変わったと言っても過言ではありません。
CDや楽譜の表紙のデザイン、あるいはデ・メイがベートーヴェンとスコアを見ながら語り合う合成写真など、曲そのものだけでなくその周辺にまでさまざまなユーモアが散りばめられているところも見ものです。
ちなみにWMCの第1部門は上から2番目のクラスにあたります。2013年のその他の各クラスの課題曲は、最上級クラスのコンサート部門がヴァーツラフ・ネリベルの「復活のシンフォニア」、3番目の第2部門がジェイムズ・バーンズの「アステカの情景」、4番目の第3部門がアルフレッド・リードの「第7組曲」となっています。これらの楽譜もお取り寄せできますので、世界屈指のコンクールの雰囲気を味わってみるのも一興でしょう。
デ・メイがコンクールの課題曲として作曲した作品はもう1曲、元々はブラスバンドのオリジナル曲として書かれた「シンフォニエッタ第1番」の吹奏楽版が収録されています。2011年にオランダ北部フローニンゲンで開催されたブラスバンドのオランダ・ナショナル選手権大会の第3部門の課題曲として委嘱を受けて作曲され、同じ年にスイスのモントルーで開催されたスイス・ナショナル選手権大会の第3部門の課題曲にも採用されました。作曲者によると、自身の他の多くの作品とは異なりシンフォニエッタという抽象的で標題性のないものとなっています。軽快な「エネルジコ」、チェロやイングリッシュホルンの独奏がフィーチャーされた「アンダンテ」、エルガーやウォルトンの行進曲を思わせる「アレグロ・フェスティヴォ」の3つの楽章からなり、冒頭の5度の上昇音形が主題となって曲全体を支配しています。この吹奏楽版も前述の12月30日の演奏会が世界初演となりました。
デ・メイはトロンボーンのために1996年に「Tボーン協奏曲」を作曲していますが、ユーフォニアムのために作曲した協奏曲のタイトルは「UFO協奏曲」。だじゃれのようなネーミングはともかく、同じ主題で関連付けられた「アンダンテ〜コン・モート」「ジョコーソ〜ヴィーヴォ」「アンダンテ・カンタービレ」「ヴィヴァーチェ」「アラ・マルチャ〜ヴィヴァーチェ」の5つの楽章からなります。古典的な協奏曲のスタイルではありませんが、特にUFOや宇宙など特定のテーマを意図したものではなく、豊かな響きや運動能力、ハイトーンなど、ユーフォニアムの機能や魅力を存分に駆使した演奏時間約24分の作品となっています。アメリカ陸軍士官学校軍楽隊のユーフォニアム奏者ジェイソン・ハムが主体となった共同委嘱により作曲されたもので、2012年2月15日にメリーランド州ボルティモアのピーボディ音楽院でハムの独奏、ハーラン・パーカー指揮ピーボディ・ウィンド・アンサンブルの演奏により世界初演されました。この録音にソリストとして迎えられているイギリスのユーフォニアム奏者デヴィッド・チャイルズも委嘱に加わっており、主にヨーロッパでこの曲を演奏しています。2人の要望によって同時にブラスバンド伴奏版も作られており、こちらは吹奏楽版に先立って2012年1月29日にマンチェスターのイギリス王立ノーザン音楽大学で開催された「ブラスの祭典」において、チャイルズの独奏、その父で自身もユーフォニアム奏者でチャイルズ兄弟として名を馳せたロバート・チャイルズの指揮、ウェールズのコーリー・バンドの伴奏により初演されました。そのメンバーでセッション録音された「OUT OF THIS WORLD」(Doyen DOYCD 294)も好評発売中です。
さて、この録音ではチャイルズの独奏で他に2曲の小品が収録されています。
イタリアのオペラ作曲家ジャコモ・プッチーニは「トスカ」「蝶々夫人」「トゥーランドット」など数々のオペラの名作で知られ、近年は日本の吹奏楽界でもハイライトやメドレーの形でその音楽が演奏される機会が増えています。デ・メイはプッチーニが最も好きな作曲家だと公言し、自ら吹奏楽に編曲し出版したプッチーニの作品だけを集めてCD「The Puccini Legacy」(CD 2010-01)を制作するほどです。その中にも収録されている「天国の天使」は、1917年に作曲された全1幕のオペラ「修道女アンジェリカ」から、ソプラノで歌われるアンジェリカの有名なアリア「母もなく」と、オーケストラのチェロで演奏される間奏などの旋律をまとめて一つの独奏パートに仕立て、吹奏楽を伴奏に編曲したものです。「母もなく」は未婚の母として生んだ子どもと引き離されて修道院で生活を送っていたアンジェリカが、子どもが亡くなったことを知らされ、母の愛情を受けることなく亡くなった子どもを思い悲嘆にくれて歌うアリアで、プッチーニらしい美しい旋律で紡がれています。独奏パートはチェロやトロンボーンまたはユーフォニアムが用意され、「The Puccini Legacy」ではチェロの独奏で収録されていますが、このCDではチャイルズがユーフォニアムで独奏パートを演奏しています。楽譜にはソプラノ独唱も用意されており、低音楽器の独奏、ソプラノ独唱、その両方という形態で演奏することができるようになっています。
もう1曲、プラハ出身のチェロ奏者で作曲家としてもチェロの小品を中心に多くの作品を残したダーヴィト・ポッパーが、チェロ独奏とピアノまたは2管編成のオーケストラのために作曲した「妖精の踊り」作品39を、デ・メイがユーフォニアム独奏をフィーチャーして吹奏楽編曲しました。チェロの名手であったポッパーの面目躍如たる技巧的な小品で、アンコールピースとしてもたびたび演奏される曲です。原曲のチェロも相当難しいものなのですが、それをさらにユーフォニアムで演奏しており、「天国の天使」とは打って変わってチャイルズの名人芸をお楽しみいただけるでしょう。
デ・メイは現在アメリカに居を移してニューヨークを拠点としており、アメリカの吹奏楽団ともたびたび共演し作曲の委嘱も受けています。ミネソタ州のコンコーディア大学と指揮者のスコット・ジョーンズの委嘱で作曲された「キャッツキル山地の歌」は、ニューヨーク近郊に暮らす作曲者がキャッツキル山地の、先住民やアイルランド、スコットランド移民の伝えた音楽などが融合した豊かな音楽文化に触れ、6曲の歌を選んで吹奏楽に編曲したものです。
南米ベネズエラの音楽教育プロジェクト「エル・システマ」は、世界的な注目を集めるシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラを筆頭にさまざまな楽団を擁しており、吹奏楽団も組織されています。そのシモン・ボリバル青少年交響吹奏楽団は世界中から客演指揮者を迎えており、デ・メイも定期的にベネズエラを訪れ自作を指揮しています。このバンドのアンコールピースとして編曲したのが、ベネズエラの作曲家モイセス・モレイロの代表作でベネズエラの民族舞曲を基にした「ホローポ」です。3拍子と2拍子がめまぐるしく変わる速いテンポの舞曲は、まさにアンコールにぴったりの小品です。
演奏しているラリン吹奏楽団は、スペイン北西部ガリシア州のラリンを本拠地に、1942年に創設されたバンドで、近年はスペイン国内外のコンクールで優秀な成績を収め、またスペイン国内の主要な都市やアルゼンチン、ベネズエラ、オランダ、スイスに演奏旅行を行っています。3本のチェロを含む90名を超える編成で、デ・メイの大編成吹奏楽のスコアをフルに活かす演奏を聞かせてくれます。指揮はオランダ出身の首席指揮者ブラム・スニーケルス、レコーディングのスタッフにもデ・メイをはじめオランダのメンバーが集まり、デ・メイ本人にとっても満足のいく仕上がりになったアルバムです。
なお、収録曲の楽譜はすべてデ・メイが設立したアムステル・ミュージックから出版されているか出版準備中であり、お取り寄せできます。交響曲第1番「指輪物語」の初演から25周年を迎え、ますます世界的な注目を集めているデ・メイの作品をお楽しみください。
(2013.05)
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