1. | Blue Samuel [ Sammy Nestico ] ( 6:51 ) |
2. | A New Day [ Sammy Nestico ] ( 4:11 ) |
3. | A Pair of Aces [ Sammy Nestico ] ( 6:12 ) |
4. | Out of the Night [ Sammy Nestico ] ( 5:33 ) |
5. | D'Ann [ Sammy Nestico ] ( 5:49 ) |
6. | Fun Time [ Sammy Nestico ] ( 4:52 ) |
7. | Celebracion [ Sammy Nestico ] ( 4:12 ) |
8. | Struttin' with Some Barbecue [ Louis Armstrong and Don Raye / arr. Sammy Nestico ] ( 4:42 ) |
9. | Orchilds and Butterflies [ Sammy Nestico ] ( 5:23 ) |
10. | Not Really the Blues [ Johnny Mandel / arr. Sammy Nestico ] ( 3:38 ) |
11. | The Four of Us (You 'N' Me) [ Sammy Nestico ] ( 4:45 ) |
12. | Rare Moment [ Sammy Nestico ] ( 7:41 ) |
13. | Bye Bye Blues [ Frederick L. Hamm, David Bennet, Bert Lown, and Chauncey Gray / arr. Sammy Nestico ] ( 4:47 ) |
14. | A Song for Sarah [ Sammy Nestico ] ( 4:05 ) |
15. | King Porter Stomp [ Ferdinand Joseph, Morton, J. FrancisBurke, and Sydney Robin / arr. Sammy Nestico ] ( 3:40 ) |
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ドイツのSWRビッグバンドが永年シリーズでやっている「一人のアレンジャーを招いてその人の作品を作る」というやり方は素晴らしいと思う。オーケストラルジャズのアレンジはクラシカルがそうであるように、時代や作家で明確な個性があるからだ。しかもSWRのシリーズは既にかなりの枚数をこのコンセプトで作っており、このシリーズを揃えるとモダンビッグバンドの重要な作家が全部揃うと言っても過言ではないのだ。
さて、ネスティコ御大だ。彼はこのシリーズで3度目の登場です。複数のアルバムを出しているのは彼だけではなかったかな。ネスティコと言えばベイシーとの蜜月が決定的ですが、ベイシー没後20余年を経た今でもその存在感は圧倒的ですね。でもネスティコはベイシーの前にはAirmen of Noteなんかにも沢山書いていた訳で、ベイシーだけではありません。むしろベイシーと言うイメージを外して聴いてみるともっと多面的な魅力が発見できるのではないかと思います。
1曲目はBlue Samuel。ロソリーノのBlue Danielのコード進行を借りて自分の名前に差し替えてますね(笑)。
のっけからヨーロッパのフルバンらしい鳴りまくりなアンサンブルです。アルバムの中の写真を見ると分かるのですが、マイクが見えません。天井から吊るしで録っているのでしょうか。スタジオ内の空間というか響きを生かした音ですよね。ソリスト一人目がギターだったりするのはベイシー的ではないよ、という意思表示があるのでしょうか。ネスティコ=ベイシー=フレディ.グリーン的ギター、っていうこっちの予測を外しにきているのかなって感じがしました。2曲目なA New Day。軽快なナンバーですね。この曲を聴いてると分かるのですが、ソロ中でのコードバッキングでピアノ主体になるところとギター主体になるところが明確に分かれていますね。このアイディアは我々もヒントにしていいかも。ソロのラッパはこのバンドのリーダーかコンマスと思われるカール.ファレント。この人とは何度かメールで話をしました。あ、ファゴットのソロなんか出てきた(笑)。しかも結構強力。フルートのアンサンブルはオーバーダブで加えたみたいです。3曲目のA Pair of Acesは最初と最後バラードでアルトソロから中間部としてミディアムファーストなスイングへ。アルトに続いてトロンボーンへ。このソリスト二人をエースに見立てている感じでしょうか。しかしそれにしてもブラス隊の楽器の鳴りが強力です。デカいとかじゃなくて良く鳴ってます。4曲目、out of the night。6拍子、エレベ、ギターもソリッド系、エフェクトも使ってる。テーマのアンサンブルではフルートも使ってるし、ここまでのところネスティコ=ベイシーなイメージが希薄なサウンドが並んでます。こういうの好きな人も多いと思うんだけど、実際にやるとグルーブさせるのは案外難しいかもしれないですね。5曲目D'Ann。ドン.レイダーをフィーチャーします。この人はベテランでウディ.ハーマンやビル.ホルマンにも居た人で、今70台半ばの人で、去年日本で見たのですが実に素晴らしいプレイヤーです。ヨーロッパのビッグバンドのセクションは善くも悪くもクラシカルな鳴り、みたいなサウンドの人が多いので、いわゆるアメリカのジャズマン的な音色の個性みたいなのが出にくいんですよね。だからこそドンみたいな人のソロの音色などの味わいが一層引き立つわけです。6曲目、お待たせしましたFun Time。でもギターは4つ刻みしてないですよ(笑)。ベイシーみたいなレイドバックもないです(笑)。ネスティコ=ベイシーみたいなことに過度に囚われないでやってもいいんですよ(笑)。バンドのダイナミクスのコントロールが素晴らしいです。こういうところは見習わないと行けません。7曲目はCelebracion。タイトルのスペルで分かるようにラテン調なオープニングです。ヴァイブも入ってなかなかにオシャレなサウンドです。カール.ファレントのソロとドン.レイダーの音を較べると、個性っていうか音を聴いて「あ、あの人だ」みたいな部分ではどうしても弱いですよね。まぁ確かに最近はアメリカでもヨーロッパでも皆同じような音、っていうか音色の個性みたいなのは希薄なんですけどもね。8曲目はルイ.アームストロングの古典、Struttin' Some Barbecue。ソロ前まではギターは4つ刻みです。
ここでもソロ後ろのピアノとギターの使い分けに明確なネスティコの意思を見ることが出来ます。ラッパのソロ、もうすこしデキシー的な味が出せたらいいのになぁ。9曲目はOrchids and Butterflies。ボッサテイストな感じ。テーマ中のギターとヴァイブのユニゾンによる天然コーラスエフェクトが快適。そういえばネスティコってDark Orchidっていうアルバムありましたね。蘭の花が好きなんでしょうね。これ、彼の昔のアルバム、Night Flightのメンツでやったらマッコネルみたいに聴こえる筈ですよ。あのレコードのメンツはマッコネルとかなり被ってたしね。10曲目はジョニー.マンデルのNot Really the Blues。今までのトラックでは一番ベイシー=ネスティコ系な音がしてます。ギターが刻んでるってのもあるんですけどね。ライナーを見るとこの曲はマンデルがウディ.ハーマンに書いたようなのですが、このアレンジは良いなぁ。人気でそうです。11曲目はThe Four of Us。ベイシーに提供したYou & Meと同じ曲ですが、4トロンボーンソロフィーチャー用にリアレンジされています。ここまでの3曲は比較的ベイシーライクな譜面が並びました。12曲目はRare Moment。もともとはロックビートの曲でゲイリー.グレイという人の書いた歌詞もあったそうなのですが、ここではジャズワルツにリメイクされています。軽快で気持ちいいです。13曲目はBye Bye Blues。イントロでチェレスタが聴こえます。珍しい。チェレスタはヴァイブが聴こえる事で一瞬この曲のマッコネルのアレンジを思い出しましたが、ここではオーバーダブでブラスセクションがダブルフルバン状態になっててさらにゴージャスです。学生さんの6大とかのイベントでやると盛り上がり必定な感じです。14曲目、A Song for Sarah。この曲はヴォーカルのサラ.ヴォーンが彼の自宅に着て色々話をした時に一緒に作った共作だそうです。そりゃそういうこともあるでしょう。良いバラードだと思います。これはピアノフィーチャーです。シメはKing Porter Stomp。この曲、スイング時代のアレンジとギルの奔放なのしか知らなかったので、こういう正統派モダンビッグバンドアレンジ(とは言え曲のせいもあってやや古めには聴こえるんですけど)があるのは嬉しい。エンディングの引っ張り方にクインシーと一緒にやったBasie & Beyondを思い出しました(笑)。
通して聴くと、御大、老いて尚盛ん、という感じがします。何度も言いますが「ネスティコ=ベイシー」っていう色眼鏡はもう外しても良いだろうな、と。ていうか、このSWRとネスティコの作品にはBasie Cally Sammyっていうのがあるので、ベイシー的ネスティコを聴きたいかたはそちらへどうぞ、っていうことなのかな。純粋にアレンジャーとしてのネスティコを楽しめる良いアルバムだと思います。
(2009年5月 辰巳哲也)
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