1. | 「ルネサンス舞曲集」より12のダンス:モール人の踊り ( Twelve Dances from "The Danserye": La Mourisque ) [ ティールマン・スザート ( Tielman Susato ) / arr. マイケル・ワルターズ ( Michael Walters ) ] ( 1:10 ) |
2. | 「ルネサンス舞曲集」より12のダンス:4つのブランル ( Twelve Dances from "The Danserye": Branle Quatre Branles ) [ ティールマン・スザート ( Tielman Susato ) / arr. マイケル・ワルターズ ( Michael Walters ) ] ( 2:17 ) |
3. | 「ルネサンス舞曲集」より12のダンス:ロンドとサルタレッロ ( Twelve Dances from "The Danserye": Ronde & Salterelle ) [ ティールマン・スザート ( Tielman Susato ) / arr. マイケル・ワルターズ ( Michael Walters ) ] ( 1:54 ) |
4. | 「ルネサンス舞曲集」より12のダンス:ロンド「わが友」 ( Twelve Dances from "The Danserye": Ronde Mon Amy ) [ ティールマン・スザート ( Tielman Susato ) / arr. マイケル・ワルターズ ( Michael Walters ) ] ( 2:08 ) |
5. | 「ルネサンス舞曲集」より12のダンス:アルマンジュとリクー ( Twelve Dances from "The Danserye": Allemaigne & Recoupe ) [ ティールマン・スザート ( Tielman Susato ) / arr. マイケル・ワルターズ ( Michael Walters ) ] ( 2:46 ) |
6. | 「ルネサンス舞曲集」より12のダンス:パヴァーヌ「あなたと別れた千々の悲しみ」 ( Twelve Dances from "The Danserye": Pavane Mille Regretz ) [ ティールマン・スザート ( Tielman Susato ) / arr. マイケル・ワルターズ ( Michael Walters ) ] ( 2:47 ) |
7. | 「ルネサンス舞曲集」より12のダンス:バス・ダンス「ベルジュレット」 ( Twelve Dances from "The Danserye": Basse Danse Bergeret ) [ ティールマン・スザート ( Tielman Susato ) / arr. マイケル・ワルターズ ( Michael Walters ) ] ( 2:35 ) |
8. | 「ルネサンス舞曲集」より12のダンス:デュ・ロワの踊り ( Twelve Dances from "The Danserye": Danse Du Roy ) [ ティールマン・スザート ( Tielman Susato ) / arr. マイケル・ワルターズ ( Michael Walters ) ] ( 1:23 ) |
9. | 「ルネサンス舞曲集」より12のダンス:ロンド ( Twelve Dances from "The Danserye": Ronde ) [ ティールマン・スザート ( Tielman Susato ) / arr. マイケル・ワルターズ ( Michael Walters ) ] ( 0:58 ) |
10. | 「ルネサンス舞曲集」より12のダンス:パッセ・メディオ ( Twelve Dances from "The Danserye": Passe Et Medio ) [ ティールマン・スザート ( Tielman Susato ) / arr. マイケル・ワルターズ ( Michael Walters ) ] ( 2:51 ) |
11. | 「ルネサンス舞曲集」より12のダンス:ロンド ( Twelve Dances from "The Danserye": Ronde ) [ ティールマン・スザート ( Tielman Susato ) / arr. マイケル・ワルターズ ( Michael Walters ) ] ( 2:17 ) |
12. | 「ルネサンス舞曲集」より12のダンス:パヴァーヌ「戦い」 ( Twelve Dances from "The Danserye": Pavane La Bataille ) [ ティールマン・スザート ( Tielman Susato ) / arr. マイケル・ワルターズ ( Michael Walters ) ] ( 3:11 ) |
13. | シャドウ・ダンス ( Shadow Dance ) [ デイヴィッド・ズベイ ( David Dzubay ) ] ( 9:54 ) |
14. | メタモルフォーシス ( Metamorphosis ) [ ダニエル・コールマン ( Daniel Kallman ) ] ( 5:49 ) |
15. | ビヨンド ( Beyond ) [ 鋒山亘 ] ( 8:38 ) |
16. | ミディーヴァル組曲:レオニヌスに捧げる ( Medieval Suite: Homage to Leonin ) [ ロン・ネルソン ( Ron Nelson ) ] ( 6:38 ) |
17. | ミディーヴァル組曲:ペロティヌスに捧げる ( Medieval Suite: Homage to Perotin ) [ ロン・ネルソン ( Ron Nelson ) ] ( 4:35 ) |
18. | ミディーヴァル組曲:マショーに捧げる ( Medieval Suite: Homage to Machaut ) [ ロン・ネルソン ( Ron Nelson ) ] ( 6:02 ) |
19. | レッド・マシーン ( The Red Machine ) [ ピーター・グレアム ( Peter Graham ) ] ( 8:25 ) |
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斯界の賞賛を集めているユージン・コーポロンとノース・テキサス・ウィンド・シンフォニーによるGIAウィンドワークス・シリーズの2007/2008年度の最新盤です。
吹奏楽のための新作と古典の優れたレパートリーを取り上げるこのプロジェクトも、レーベルを移行してGIAからリリースされるようになって2年目を迎えました。
このCDでは、中世やルネサンスの音楽をテーマにした曲から21世紀に作曲された新作まで6曲が収録されています。
16世紀にアントワープに楽譜出版社を興したティルマン・スザートは作曲家、編曲家としても活躍し、同時代の作品やその器楽編曲を自作とともに出版しました。1543年から1561年の間に22冊の歌曲集、3冊のミサ曲、19冊のモテット集を発行しています。
1951年に出版されたスザートの器楽曲集「ダンスリー」の中から、マイケル・ウォルターズが12曲を選んで吹奏楽のためにオーケストレーションしたのが最初に収録されている「『ダンスリーズ』からの12の舞曲」です。スザートの舞曲は現在も金管アンサンブルなどでたびたび演奏され耳にする機会が多く、吹奏楽でもいくつかの編曲が知られていますが、ここではルネサンス音楽の響きを吹奏楽で表現するためにさまざまな工夫がなされています。四声の基本的なハーモニーには手を付けることなく、フルートとピッコロでリコーダー、オーボエ、イングリッシュホルン、バスーンでクルムホルンやラケット、コントラバス・クラリネットやコントラバスーンでグレートバス・ラケットといったルネサンス期の楽器を再現し、古楽器のコンソートのようなルネサンス音楽の雰囲気で優雅に鳴り響きます。元々の音楽が持つ素朴さと力強さが巧みなオーケストレーションで彩られ、現代吹奏楽の新しいサウンドを聞くことができる作品となっています。
初演されたロン・ネルソンの「中世組曲」ではさらに時代をさかのぼり、中世のフランスで活躍した3人の作曲家、12世紀のアルス・アンティクア様式によるノートルダム楽派を代表するレオナン(レオニヌス)とそれに続くペロタン(ペロティヌス)、そして14世紀のアルス・ノヴァ様式の大家ギヨーム・ド・マショーをテーマにしています。1983年3月18日に全米大学バンド・ディレクターズ協会(CBDNA)全米大会でウェスタン・ミシガン大学シンフォニック・バンドにより初演されたこの曲は、それぞれの作曲家の手法や旋律による3曲からなる組曲で、中世の旋法の上でネルソンらしい現代的なオーケストレーションによる独特のサウンドが繰り広げられます。
インディアナ大学ジェイコブズ音楽学校の音楽教授で作曲科の主任を務めるデイヴィッド・ズベイは、実力派の作曲家として注目を集めており、コーポロンはこのシリーズでも2001年のイサカ大学ウォルター・ビーラー記念作曲賞を受賞した武蔵野音楽学園創立70周年記念委嘱作品「脈」や2003年のアメリカ吹奏楽連盟(NBA)ウィリアム・レヴェリ記念吹奏楽作曲賞を受賞した太陽神をテーマにした「ラー!」を取り上げています
ここで演奏されている「シャドー・ダンス」は、ノース・カロライナ大学グリーンズボロ校ウィンド・アンサンブルの委嘱で2006年に作曲され、その年の10月5日に初演された作品です。「中世組曲」でもテーマになったペロタンの作品から、クリスマスから新年にかけて歌われるグレゴリオ聖歌に基づいて1199年頃に作曲された四声のオルガヌム「地上のすべての国々は神の救いを見たり」のメロディーを低旋律として用い、踊りのリズムの中で自由に展開しています。
ダニエル・コールマンは、アイオワ州デコーラのルーサー大学とミネソタ大学で音楽を学び、セントオラフ大学で教員を務めた後、2000年以降は作曲に専念しており、オーケストラや吹奏楽、合唱、室内楽のための数多くの作品を発表しています。
「オリジナルのケークウォークによる変容」は、ウィスコンシン州のハドソン高校コンサートバンドの委嘱で作曲され、1986年のウィスコンシン州音楽教育者会議で初演されました。楽譜は2005年にアメリカのブージー&ホークスからウィンディペンデンス・シリーズの1曲として出版されています。アルトサクソフォーンやユーフォニアムの独奏で現れるケークウォークの主題が次々に変化していく軽妙な作品です。
アルバムの締め括りは、「ゲールフォース」や2002年のアメリカ吹奏楽指導者協会(ABA)オストウォルド作曲賞に輝いた「ハリソンの夢」で人気を集め、今年6月にも自作を指揮するために来日するピーター・グレアムが、イギリスで最も歴史ある近衛歩兵連隊バンド、コールドストリーム・ガーズ・バンドの委嘱で作曲した「レッド・マシーン」です。グレアムは2004年1月にコールドストリーム・ガーズ・バンドの民間人最初のコンポーザー・イン・レジデンス(座付き作曲家)になりました。バッキンガム宮殿の衛兵交代式で整然と行われる行進の様子がその制服の色から「赤の機械」と呼ばれることから、この曲名が付けられました。2003年9月に初演されたこの曲は、機械を思わせる攻撃的なリズムの早い部分と、それにはさまれた叙情的な中間部の三つの部分で構成され、ガーズ・バンドのレパートリーであるマイヤベーアの歌劇「ユグノー教徒」の行進曲やホルストの「惑星」からの旋律が現れるドラマチックなこの曲には、グレアムのエッセンスが詰まっています。
同時発売の「URBAN DREAMS」(CD-743)とあわせ、今年もこのシリーズは吹奏楽ファン必携の1枚と言えるでしょう。
(2008年3月)
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