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スクールバンドを中心に日本でも人気の高いスティーヴン・ライニキーの作品集第2弾です。
1970年にオハイオ州ティップ・シティに生まれたライニキーは、マイアミ大学でトランペットと作曲を学んだ後、ロサンゼルスに移って映画音楽やバレエ、舞台音楽を手がけるようになりました。1995年の夏からシンシナティ・ポップス管弦楽団のスタッフとして100曲以上の作編曲を行い、それらはコンサートやテラークからリリースされたCDで聞くことができます。シンフォニック・ポップスのジャンルにおいて第一線で活躍し、指揮者としてもカンゼルの薫陶を受け、シンシナティ、トロント、アトランタ、デトロイト、インディアナポリス、エドモントン、ウィンザーなどのオーケストラに客演で登場しています。
吹奏楽曲は大学在学中から書いており、スクールバンド向けを中心に多くの作品を発表しています。モダンなリズムや自然に流れる親しみやすいメロディー、スマートなオーケストレーションがわかりやすい構成と手法でまとめており、人気を集めています。
この作品集には2002年の作品集第1弾「INTO THE RAGING RIVER」(WFR326)のリリース後に出版された7曲が収録されています。演奏は前盤同様、ウォーキング・フロッグ・レコードではおなじみのエドワード・ピーターセン指揮ワシントン・ウィンズです。
さて、何と言っても今回の注目は交響曲第1番「新しい日の出」でしょう。
1906年4月18日午前5時12分にサンフランシスコ市街に近いサンアンドレアス断層を震源とするマグニチュード7.8の直下型地震が発生し、地震とその後3日間にわたって燃え続けた火災により、死者は約3千人、22万人を超える人が家を失い、損害額は当時の金額で4億ドルに達しました。このサンフランシスコ地震はアメリカの主要都市で最も大きな被害をもたらした自然災害となりました。
サンフランシスコ近郊のカリフォルニア州ウォールナット・クリークを本拠地とするコントラ・コスタ・ウィンド・シンフォニーの創立25周年のシーズンのために委嘱されたこの曲は、地震からちょうど100年となる2006年4月18日のコンサートで作曲者自身の指揮により初演されました。
全曲で30分を超える作曲者にとっての初めての交響曲で、グレードは5に設定されており、変拍子や何秒間繰り返すという現代音楽的な指示などその他の作品と比べるとかなり難易度が高く書かれています。編成にはイングリッシュホルンやコントラバスーン、ハープ、ピアノ、オルガンが含まれ、歌やグラスハープやウォーターゴングなど数々の打楽器が用いられるなど、大規模なものとなっています。
第1楽章「黄金の街」は、迫り来る悲劇を予感させる不安な序奏で始まり、一転して地方の一港湾都市からゴールドラッシュや大陸横断鉄道の拠点として急成長したサンフランシスコの賑わいや威容が現れます。ラグタイムが聞こえ路面電車が走る街並みを描写しています。第2楽章「夜想曲」では地震前夜の1906年4月17日の穏やかな雰囲気を表現しており、ビゼーのオペラ「カルメン」から第3幕でカルメンに誘惑され竜騎兵を抜けて密輸団に加わったドン・ホセを追った許婚ミカエラが歌うアリア「何を恐れることがありましょう」の叙情的な旋律が優雅に流れ、夜のしじまに消えて行きます。
続く第3楽章「そして大地が揺れた」では、夜明けの静かさを打ち破る地震とその後の混乱、不気味なまでの静けさ、そして救援活動に向かう軍隊を表現しています。
第4楽章「新しい日の出」では、都市部の大半を失ったサンフランシスコが、新たな魅力ある都市へと再生し、発展を遂げていく様子を描いています。しかし、地震の脅威は完全に消え去ったわけではなく、どことなく不安を感じさせながら静かなフィナーレを迎えます。
曲調としてはライニキーのこれまでの作品の雰囲気を大きく逸脱するものではなく、作曲者の持ち味が活かされたまま、スケールの大きな作品となっています。
なお、6分半から9分半の4つの楽章はそれぞれ単独で演奏できるようになっており、楽譜も楽章ごとに分売されています。
初出の作品としてはもう1曲、新曲の「新しい地平線に向かって」が収録されています。
ミネソタ州の州都セントポール近郊にあるショアヴューがマウンズヴュー郡区で自治体として結成されてから50年を記念して委嘱した曲で、ホルン、トランペット、ユーフォニアム、フルートの独奏で静かに始まり、軽快なリズムのアレグロ・コン・ブリオの主部から途中3/4拍子のゆっくりした中間部を経て、再びアレグロ・コン・ブリオに戻り華やかに終わるという、おなじみの演奏会用序曲の形式で書かれています。
さて、このCDには演奏時間10分を超える「魔女と聖女」が再録されています。
ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州のエルヴァンゲン市青少年吹奏楽団と指揮者のヴェルナー・エメネッカーに献呈されたこの作品は、実際に魔女狩りが行われ数百人が殺された中世のエルヴァンゲンを舞台にしたドイツの作家ウルリケ・シュヴァイケルトの同名の歴史小説を基に、5つの部分からなる交響詩として書かれています。
1588年にエルヴァンゲンで双子の姉妹ヘレナとジビュラが生まれました。当時双子は災厄をもたらす前兆とされていたのですが、この姉妹には未来に起こることを知る力がありました。第1部ではグレゴリオ聖歌による主題が姉妹の運命を予感させます。第2部ではジビュラの主題が展開され、街にいてやがて魔女として迫害を受けることになるジビュラを表しています。第3部ではヘレナの主題が展開されます。ジビュラと離され修道院に送られたヘレナは、その力から修道院では崇拝を集めることになります。第4部では姉妹に降りかかる運命を描いており、ジビュラが投獄されたことを知ったヘレナは街に戻り、ジビュラを救い出します。そして第5部は悲劇的な終幕を表しています。逃げ切れずに捕らえられ火あぶりになる未来が見えたヘレナは聖女としてそれを恐れ毒薬を飲んでジビュラの腕の中で息絶え、ジビュラは悲しみの中旅立ちます。
重々しいグレゴリオ聖歌と姉妹を表す美しい旋律が、ドラマチックな構成と効果的なオーケストレーションで彩られ、物語の場面を彷彿とさせるようです。
この他にもこのCDには、メーン州バンゴアのアケイディア病院の10周年を記念して作曲した「鷲が高く舞うところ」、離陸から上昇、巡航高度での雲の上の景色、突然の乱気流、そして無事に着陸するまでの飛行を描いた「重力に挑んで」、帰省中に火事で両親と亡くなった女子高校生の死を悼み、その親友の言葉からインスピレーションを得た「天国の光」、ハワイに伝わる火山の女神ペレを題材にした「火の女神」といった、ライニキーの手腕が光る作品が並んでいます。
なお、このCDに収録されている曲の楽譜はすべてバーチ・アイランド・ミュージックから出版されており、バーンハウスが販売しています。いずれもお取り寄せできますので、CDを聞いてみて興味がありましたらぜひお問い合わせください。わかりやすいストーリーと変化に富んだ構成で、聞く人も吹く人もわくわくさせるライニキーの魅力を味わってみませんか。
(2007.10)
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