1. | First Flight [ Pete McGuinness ] ( 6:50 ) |
2. | Smile [ Charlie Chaplin / arr. Pete McGuinness ] ( 7:33 ) |
3. | Infant Eyes [ Wayne Shorter / arr. Pete McGuinness ] ( 6:39 ) |
4. | Comecar de Novo [ Ivan Lines / arr. Pete McGuinness ] ( 8:09 ) |
5. | Lonely Dance [ Pete McGuinness ] ( 7:14 ) |
6. | Chase Scence [ Pete McGuinness ] ( 7:18 ) |
7. | Spring Song [ Pete McGuinness ] ( 7:47 ) |
8. | The Tricksteps [ Pete McGuinness ] ( 4:35 ) |
9. | A Fond Farewell [ Pete McGuinness ] ( 5:09 ) |
90年代にマリア・シュナイダーが呈示した色彩感というのはオーケストラル・ジャズ・アレンジメントに大きな影響を与えたと言っていいと思います(そのルーツはギルなのですが)。彼女の出現からから既に10年経っていることを考えたら彼女のような色彩感にインスパイアされた才能が出て来て当然でしょう。このアルバムのリーダーであるピート・マクギネスのこのアルバムを聞いて直感的に感じたのがそれです。彼自身、マリアのバンドのサポートもしたことがあるのだから、それが自分の作品にも反映されることは当然ある話なのですが。が、それにもましてこのピート・マクギネス氏のもう一つの才能はヴォーカリストとしてのものです。94年のモンク・コンペでスキャットでセミファイナルまで行ったことがきっかけで、ジミー・ヒースのビッグバンドにヴォーカリストとしても歌ったことがあるそうです。このアルバムではそんな彼の才能が満喫できます。
1曲目の「First Flight」はオリジナルのタイトルトラック。イントロのブラスアンサンブルでのリードトランペットを聞いてたらなぜかアール・ガードナーを思い出しました。リードはアールじゃなくてトニー・キャドレックなのですが、この人は今のNYCの白人系ビッグバンドでのリード・トランペット率が、少なくとも手許にあるCDでは結構高く、そのためにNYCのモダンビッグバンドのリードといえばトニーという印象が出来つつあるのかもしれません。ソリストはトランペットのクリス・ロジャース(この人は知らなかった)とテナーのトム・クリスチャンセン(マリア・シュナイダーJ.O.)にピート・マクギネス。
2曲目の「Smile」はチャップリンの名曲。ここでバンマスのピート・マクギネスが歌います。モンクコンペのセミファイナリストというのはダテではありません。フルート、ミュートトロンボーン、フリューゲルという柔らかいアンサンブルにメロディでヴォーカルが乗るというのは非常に新鮮です。アルト・ソロは秋吉さんのところでリード吹いてたデイヴ・ピエトロですね!
3曲目の「Infant Eyes」はショーターの有名なバラード。これは個人的に大好きな曲なのですが、ビッグバンドでは初めて聴きます。こういうカラーの曲をビッグバンド化すると、ハーモニーのモダンさが際立ちますねぇ。これは取上げたいと思う人が大勢いそうな気がします。
4曲目の「Comecar de Novo」はイヴァン・リンスのカバー。イヴァン・リンスはアメリカのミュージシャンの間では人気があります。色々な人がカバーしてるし、イヴァン・リンス作品集もありますし。ジョビン以降ではもっともカバーされてるような気がしますね。これもモダンでいい曲です。ここではゲストにギターが入り、ソロはピアノのみがフィーチャーされます。
5曲目の「Lonely Dance」はオリジナル。渋いです。どうも日本でビッグバンドというとやたらデカい音という感覚に陥りがちですが、大きくなるのはバンドのサイズであって音量ではないということがこの曲や4曲目を聴いていると非常に良く分かります。
6曲目の「Chase Scence」はアップテンポのオリジナル。5曲目もそうですが、曲調がマイナーになると少し内省的なカラーが出ますね。ここでのトランペットのソロはBill Mobley。この人も90年代初頭に物凄くモダンなビッグバンドを持ってたんですよね。マリアの影に隠れちゃいましたが、この人のビッグバンドも好きでしたね。もちろん曲のカラーにあった素晴らしいソロ吹いてます。
7曲目の「Spring Song」もオリジナル。これは良い曲というよりも、スタンダードですと言ってもおかしくないようなチェンジとメロディの流れがあります。多分ピート本人が歌える人だからこういう作りの曲をさらっと書けるんじゃないでしょうか。メロディ・メイカーとしても強力だと感じられます。
8曲目の「The Tricksteps」は循環ですが、テーマでは大分捻ってます。ソロはトロンボーンセクション!ちなみにバンマスはソロ合戦には参加してません。モダンビッグバンドのアルバムの中にこういう肩の凝らない(?)遊び心満載の循環の曲っていうのがアルバムの中にあると、個人的にはほっと気が休まります。
9曲目の「A Fond Farewell」はクローザーのワルツ。M2でも感じるのですが、ヴォーカルガメロディ取ってそれにフルートやミュートトロンボーンやフリューゲルでハモるというのはこの人のトレードマークになるでしょう。高めで甘くて柔らかい声なので、これの響きは非常にチャーミングです。
通して聴いてみて、これは拾い物という感じを強く持ちました。ソングライターとして、アレンジャーとして、ヴォーカリストとして素晴らしい才能の持ち主だと強く実感しました。譜面自体も決して難解なものではないですし、そういう譜面できちっと個性が出ると言うのは素晴らしいことだと思います。原盤のライナーを書いているのはジョン・フェドチョクで、絶賛モードなんですが、それが非常に良く分かります。このアルバムはフェドチョクほどハードではなく、シュナイダーほどアーティスティックではなく、モダンで柔らかい好盤だと思います。
(2007年8月 辰巳哲也)
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