1. | 泥棒かささぎ ( La gazza ladra ) [ ロッシーニ ( Gioacchino Rossini ) / arr. ジョセ・シンス ( Jose Schyns ) ] ( 10:28 ) |
2. | ウィリアムのためのシンフォニー ( Symphony for William ) [ デリク・ブージョワ ( Derek Bourgeois ) ] ( 20:15 ) |
3. | くるみ割り人形 ( Nutcracker Suite ) [ ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー ( Peter Illitch Tchaikovsky ) / arr. ジョセ・シンス ( Jose Schyns ) ] ( 23:12 ) |
4. | ウィナンガ・リ ( Winanga-li ) [ ハルディ・メルテンス ( Hardy Mertens ) ] ( 24:29 ) |
|
|
| ||||||
|
|
| ||||||
|
|
ベルギーの楽譜出版社ハファブラ・ミュージックのマスターピース・シリーズ最新作です。
このシリーズはハファブラ・ミュージックの出版譜からグレードが高く規模の大きな作品を集めたものですが、ヨーロッパの軍楽隊の最高峰と言えるベルギー・ギィデ交響吹奏楽団が演奏を担当していることで、その演奏も聞き物となっています。
この第3弾では、イギリスの作曲家デリック・ブージョワとオランダの作曲家ハルディ・メルテンスの自作自演によるそれぞれ20分を超える作曲作品と、副指揮者で2003年10月からこのバンドの音楽監督代行を務めているド・リデル上級准尉の指揮でジョゼ・シンスの編曲作品2曲が収録されています。
タイトル曲の「ウィナンガ・リ」はオーストラリアの先住民族アボリジニの言葉で「聞き、理解し、覚えること」を意味します。
メルテンスとオーストラリアの作曲家マーク・スマードン、その娘でベルギーに住む画家サラ・スマードンの3人によるコラボレーションとして作られました。1998年に初めてメルテンスとサラが出会い、お互いにその才能を認め合ってコラボレーションを始めました。やがてマークも加わるようになり、その結果生まれたのがこの「ウィナンガ・リ」です。サラが受胎から出生までを4枚の絵で描き、マークが書いた旋律を基にメルテンスが4曲からなる組曲を作曲しました。それぞれ「生命の息吹」「サラの魂」「虹の踊り」「ウィナンガ・リの始まり」と名付けられ、アボリジニの文化と伝統の影響を強く受けたスマードン親娘と、ヨーロッパの伝統的なクラシックの書法に民族音楽の要素を取り入れ、色彩とメロディーライン、リズムを現代的な手法で組み合わせることを得意とするメルテンスの、まさにコラボレーションと言うべき作品となっています。
大編成を念頭に作曲され、レインスティックやハーモニックフルート、クラップステックといったアボリジニの民族楽器も使われているため、実際に演奏するには難しい面もありますが、穏やかでありながらも堂々とした力強さ、あるいは静けさと激しさを持った魅力的な作品と言えるでしょう。
2005年にオランダのケルクラーデで開かれた第15回世界音楽コンクール(WMC)で、吹奏楽の最上級クラスであるコンサート部門に出場したイタリアのサマッシ・スタニスラオ・シレス音楽協会交響吹奏楽団が7月30日にこの曲を演奏しており、そのときの実況録音がハイライト盤にも収録されています。また、この録音を行っているベルギー・ギィデ交響吹奏楽団が今年の6月8日にベルギー・マーセイクのアハテロルメン文化センターでの演奏会で取り上げました。
イギリスの指揮者ティモシー・レイニッシュの三男で医師だったウィリアムは2001年に休暇で家族とピレネーを訪れたときのこと、ある朝一人で朝食前に山の散策に出かけたまま戻らなくなり、後に遺体が山の斜面で見つかりました。2002年に王立ノーザン音楽大学を退職したレイニッシュは妻ヒラリーとともに息子を偲んで何人かの作曲家に作品を委嘱し、アダム・ゴーブやケニス・ヘスケスといった多くの作曲家によって20曲以上もの作品が書かれました。ここに収録されている「ウィリアムのためのシンフォニー」作品212もその1曲で、レイニッシュの40年来の親友であるブージョワが作曲したものです。2004年6月にマヨルカに住む作曲者の元を訪れたレイニッシュ夫妻の委嘱を受けて作曲され、その年の10月13日にテネシー工科大学ウィンド・オーケストラによって初演されました。
ウィリアムも新婚旅行中にブージョワが住むマヨルカの小さな村を訪れており、ブージョワはウィリアムの名前をタイトルに引用した3つの楽章からなるこの作品をわずか1週間ほどで書き上げたのでした。第1楽章に付けられた「ウィル・オ・ザ・ウィスプ」とはケルトの伝承にあるいわゆる鬼火や狐火のことで、ウィリアムの身に降りかかった悲劇を暗示するような音楽になっています。第2楽章は日本でビジョナデシコあるいはヒゲナデシコと呼ばれるヨーロッパ東南部で見られるナデシコ科の花の名前で、英語ではスウィート・ウィリアムと呼ばれます。美しいロマンティックなメロディーはウィリアムの優しく愛想のよい人柄を表しています。そして第3楽章は「意志力」を示し、力強くエネルギッシュな曲として書かれていますが、最後は穏やかになり、ウィリアムの冥福を祈るように静かに曲を閉じます。
ブージョワの作品らしく変拍子を伴うスピード感のあるリズムと美しいメロディーが大きなスケールでまとめられています。
ロッシーニのオペラ「泥棒かささぎ」の序曲とチャイコフスキーのバレエ組曲「くるみ割り人形」の編曲は、この楽団のトロンボーン奏者でブリュッセル王立音楽院のトロンボーン教授を務めるジョゼ・シンスの手によるものです。
シンスは1959年にベルギーのモレネに生まれ、リエージュ王立音楽院でソルフェージュ、トロンボーン、室内楽、テューバを学び、プルミエ・プリ(一等賞)を得て卒業しました。1977年からギィデ交響吹奏楽団のトロンボーン奏者を務めています。
吹奏楽のための編曲も多く手がけ、ドヴォルザークの「スラヴ舞曲集」やボロディンの「ダッタン人の踊り」、シャブリエの狂詩曲「スペイン」など、色彩豊かな編曲はすでに日本にも紹介され注目を集めています。ここに収録されている2曲も華やかなサウンドと管楽器の響きを活かした魅力的な編曲となっています。「くるみ割り人形」は「小序曲」と6曲の「性格的な舞曲集」(行進曲、こんぺい糖の踊り、ロシアの踊り(トレパック)、アラビアの踊り、中国の踊り、あし笛の踊り)、そして「花のワルツ」の組曲全8曲の編曲となっています。
なお、楽譜はハファブラ・ミュージックから出版されており、いずれもお取り寄せできます。実力のあるバンドの演奏会のプログラムやコンクールの自由曲にお薦めします。
このCDと同様にブージョワとメルテンスの作品各1曲とシンスの編曲2曲を収録したシリーズ第1弾「The Cotswold Symphony」(ES 47.409 CD)、ブージョワの80分にも及ぶ吹奏楽のための交響曲「マヨルカの山々」作品184aを収録した第2弾「Symphony No.8 - The Mountains of Mallorca」(ES 47.427 CD)、そしてジョゼ・シンスの名編曲を集めた作品集「Symphonic Dances」(ES 47.438 CD)も好評発売中です。
(2006.08)
|
|
| ||||||
|
|
| ||||||
|
|
| ||||||
|
|
| ||||||
|
クレジットカード(推奨) |
ご利用いただけるのは、以下のカードです |
後払い(コンビニ・銀行・郵便局) |
■このお支払方法の詳細
■ご注意
|
代金引換 |
ご利用いただけるのは2回目以降のご注文からとさせていただいております。
■このお支払方法の詳細
■ご利用可能なお支払い方法
|
銀行振込(前払) |
|
商品代金(本体・税別) | 発送方法が |
発送方法が |
支払い方法が 「代金引換(コレクト便)」 の場合 |
|
時間指定:可能な場合あり | 時間指定:可能 | 時間指定:可能 | ||
送付手数料 | 0円 | 550円 |
880円 |
1210円 |
1円〜3,000円 |
|
|||
3,001〜5,000円 |
無料 |
|||
5,001円〜10,000円 | 550円
|
|||
10,001〜15,000円 | 無料 |
550円 |
||
15,001円以上 |
|
発送にかかる日数の目安
発送方法 | 北海道、東北、中国、四国、九州、沖縄 | それ以外 |
ヤマト運輸の宅急便・コレクト便 レターパックプラス/ライト(郵便小包) |
2日 | 翌日 |
ヤマト運輸のネコポス便 |
|
クレジットカードでお支払いの場合についての追記
代金引換によるお支払いに関して
※平成26年4月1日より一部変更の上適用
お客様のご都合によるキャンセル
お客様のご都合によるキャンセルで、すでにご入金をいただいている場合の返金
3万円未満の返金 | 220円 |
---|---|
3万円以上の返金 | 440円 |
ミュージックストア・ジェイ・ピーの都合によるキャンセル
前払いで未入金のお客様へ
商品発送後の返品に関する規定
楽譜の場合
CDの場合
マスクや雑貨の場合
ミュージックストア・ジェイ・ピーのミスで違う楽譜や雑貨、破損CDなどをお届けしてしまった場合は、もちろん返品に応じます。