1. | ウェーバーの主題による交響的変容 ( Symphonic Metamorphosis of Themes by Carl Maria von Weber ) [ ヒンデミット ( Paul Hindmith ) / arr. Keith Wilson ] ( 20:17 ) |
2. | ペンタトニック主題による変奏曲 ( Variations on a Pentatonic Theme ) [ ロブ・ホールハイス ( Rob Goorhuis ) ] ( 18:32 ) |
3. | モヌメントゥム・プロ・ウンブリス ( Monumentum pro Umbris ) [ ホドキンソン ( Sydney Hodkinson ) ] ( 20:26 ) |
サルバドール・ダリの絵画「ナルシスの変貌」をジャケットのデザインにしたこのCDは、4年に一度オランダのケルクラーデで開催される世界音楽コンクール(WMC)の吹奏楽の最上級クラスであるコンサート部門の優勝バンドの演奏を完全収録したライブ盤「THE WINNING CONCERT」シリーズの2005年盤です。
昨年7月に開催された第15回WMCでは、吹奏楽・コンサート部門に9ヶ国から15のバンドが出場し、7月23日から30日にかけて各バンドによる演奏が行われました。7月23日に登場したベルギーのハレルベケ・フォーロイト吹奏楽団は課題曲、自由曲ともに最高得点を獲得し、ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州吹奏楽団やスイスのベルン交響吹奏楽団、イタリアのソンチーノ市吹奏楽団といった各国の強豪を抑えて見事優勝に輝き、ベルギーのバンドとして初めて世界チャンピオンの栄冠を手に入れました。
バンド名のフォーロイトは英語の「forward」にあたり、前進や進歩といった意味があります。ベルギー北西部のヴェスト・フラーンデレン州ハレルベケを本拠地として1920年代に結成されたバンドで、特に1985年から20年に渡って指揮者を務めてきたヘールト・フェルスハーヴェの下で着実に実力を付け、フランスやスイスなどの国際コンクールにも出場し優秀な成績を収めてきました。WMCにもたびたび出場しており、ついに今回初のタイトル獲得に至りました。80名を超える充実した編成を備え、クラシックの編曲から吹奏楽のオリジナル曲まで、幅広いレパートリーを持っています。
この年のコンサート部門では、演奏時間18分にも及ぶロプ・ホールホイスの「ペンタトニックの主題による変奏曲」を課題曲として、これを含め45分以上60分以内のコンサート形式でのプログラムによる演奏が規定され、また演奏時間に対して吹奏楽のオリジナル曲が20分以上占めることも求められており、自由曲の選択やプログラム構成が審査の重要なポイントとなります。
このバンドは自由曲として、パウル・ヒンデミットの「ヴェーバーの主題による交響的変容」とシドニー・ホドキンソンの「モヌメントゥム・プロ・ウンブリス」を取り上げました。
「ヴェーバーの主題による交響的変容」は、ヒンデミットがナチスの台頭を逃れてアメリカに亡命していた1943年にニューヨーク・フィルハーモニックの委嘱で作曲した管弦楽曲で、1944年1月20日にアルトゥール・ロジンスキーの指揮によって初演されました。
ドイツの作曲家カール・マリア・フォン・ヴェーバーの作品を題材に、原曲に近いイメージで、あるいはまったく異なる色彩的な曲として、自由なスタイルで展開させた4曲から構成されています。第1曲「アレグロ」は1818年から1819年に作曲されたピアノ連弾のための「8つの小品」作品60の第4曲「アレグロ」、第2曲「トゥーランドット:スケルツォ」は1809年の劇付随音楽「トゥーランドット」作品37の序曲と行進曲、第3曲「アンダンティーノ」は1809年のピアノ連弾のための「6つの小品」作品10の第2曲「アンダンティーノ・コン・モート」、第4曲「行進曲」は「8つの小品」の第7曲「行進曲」を基にしています。主旋律の裏で細かく動く対旋律や、ジャズのブルーノートによるハーモニーやシンコペーションを多用したリズム、あるいは葬送行進曲風の原曲を華やかな行進曲に仕立て直すなど、ヒンデミットの作曲技法が随所に光ります。
ここに収録されている吹奏楽版は、作曲者が音楽学部長を務めていたイェール大学の同僚でクラリネット科の教授でありバンドディレクターのキース・ウィルソンに依頼したものです。元々が管楽器を非常に効果的に使った曲だけに、吹奏楽版でもその際立った色彩が活かされています。
もう1曲の自由曲「モヌメントゥム・プロ・ウンブリス」の作曲者、ホドキンソンは1934年にカナダのマニトバ州ウィニペグで生まれ、ロチェスター大学のイーストマン音楽学校やプリンストン・セミナー、ミシガン大学で作曲を学びました。現在はイーストマン音楽学校などで作曲を教えています。
この曲はイーストマン・ウィンド・アンサンブルと2002年7月に指揮者に就任したマーク・スキャッタデイのために2002年8月30日に書き上げられ、2003年11月6日にフロリダ州ディーランドでボビー・アダムズ指揮ステットソン大学ウィンド・アンサンブルにより初演されました。その後、2004年11月7日にハレルベケで2年に一度開催される国際吹奏楽作曲コンクールで第2位と観客賞を受賞しましたが、そのときに本審査の演奏を行ったのがこのバンドで、その縁でWMCでもこの曲を自由曲として取り上げました。
タイトルはラテン語で「影のためのモニュメント」を意味し、この影という言葉には死者という意味も重ねられています。2002年に相次いで亡くなったアメリカの作曲家、アール・ブラウンとラルフ・シャピーの2人の友人に捧げられたこの曲は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロやこの10年間に戦争や病気、天災のために失われた人命に対しての追悼として書かれています。祈りや宗教的な儀礼、あるいはコラールの要素を取り入れた重々しく荘厳な雰囲気を持ち、聞く者の胸を打つような響きに満ちあふれています。モンテヴェルディの1608年のオペラ「アリアンナ」の中の「アリアンナの嘆き」の旋律が断片的に現れます。
豊かな響きと幅広いダイナミクス、そして高いレベルの表現力を持ち、世界チャンピオンの名にふさわしい王者の貫禄を感じさせます。まだ日本ではほとんど知られていませんが、今後の活躍にも目が離せない、注目に値するバンドです。
(2006.03)
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