1-6 | 朝の音楽 ( Morning Music ) [ リチャード・ロドニー・ベネット ( Richaard Rodney Bennett ) ] ( 15:57 ) |
7-15 | ゴースト ( Ghosts ) [ スティーヴン・マクネフ ( Stephen McNeff ) ] ( 20:54 ) |
16 | カプリッチョ ( Capriccio ) [ グスターヴ・ホルスト ( Gustav Holst ) / arr. ジョン・ボイド ( John Boyd ) ] ( 5:15 ) |
17 | ロム・アルメ変奏曲 ( L'Homme Arme Variations ) [ クリストファー・マーシャル ( Christopher Marshall ) ] ( 17:53 ) |
|
|
ユージン・コーポロンによる吹奏楽作品のレコーディング・プロジェクトで知られるクラヴィアから、管楽フィルハーモニア・ウィンド・オーケストラの新譜がリリースされました。
管楽フィルハーモニア・ウィンド・オーケストラは、インディアナ大学内に本拠地を置くプロの吹奏楽団で、インディアナ州立大学、インディアナ大学、イリノイ大学、イースタン・イリノイ大学、ミズーリ大学、バトラー大学、デポー大学の教員を中心に、さらにテレ・ホート交響楽団員やインディアナ地域の演奏家によって構成されています。これまでに楽譜出版社ラドウィグのCDレーベルであるエルフからフレデリック・フェネルやジョン・ボイドの指揮でいくつかのCDが制作されており、これらはすでに日本でも発売され注目を集めています。最少人数での演奏によるウィンドアンサンブルの演奏スタイルを基本としていますが、このCDではさらにクラリネットやテューバまで含めて1パート1人という少数精鋭による編成で録音にあたっています。
これまでのCD同様に興味深いプログラムで、イギリスで活躍する作曲家の比較的珍しいレパートリー4曲を収録しています。
サー・リチャード・ロドニー・ベネットは、20世紀後半のイギリスを代表する作曲家の一人です。ホルストの生徒だった音楽好きの母の影響で5才からピアノを始め、6才から作曲も行うようになりました。ロンドンの王立音楽院で学んだ後にパリに留学し、ピエール・ブーレーズに師事して現代音楽にも傾倒しています。オペラや交響曲、室内楽曲からジャズバンドのための作品まで幅広い作品を発表しています。映画音楽も多く手がけ、1971年の「遥か群衆を離れて」や1974年の「オリエント急行殺人事件」などではアカデミー作曲賞にもノミネートされています。
吹奏楽作品としては「四季」が東京佼成ウインドオーケストラやイーストマン・ウィンド・アンサンブルのCDや演奏会などで取り上げられ、日本でも知られています。ここに収録されている「朝の音楽」は1986年に作曲されたベネットの最初の吹奏楽曲で、1987年にボストンで行われた第3回世界吹奏楽大会(WASBE)のコンサートでジョン・ペインター指揮ノースショア・コンサート・バンドの演奏で初演されました。日本でも1995年に浜松で開催された第7回世界吹奏楽大会で委嘱者である王立ノーザン音楽大学(RNCM)ウィンド・オーケストラが演奏しています。「前奏曲」「船」「塔」「ドーム」「劇場」「寺院」「終曲」というタイトルが付けられた7曲からなる組曲で、映画音楽と同様に薫り高い上品な響きとセンスのよさを感じさせます。
タイトル曲の「ゴースト」は、イギリスやカナダのオペラや演劇で活躍しているスティーヴン・マクネフの作品です。2000年から2001年にかけてRNCMウィンド・オーケストラの委嘱で作曲した3曲の吹奏楽曲のうちの一つで、マクネフはその後ほぼ1年に1曲吹奏楽作品を発表しています。
イギリスの有名な幽霊譚をテーマに音楽で描いたもので、主題と7つの変奏という形式で書かれています。「出没」「グレイ・レディ」「ゴドリーの犬」「イングランドの銀行員」「塔に囚われた少女」「オールダム劇場の亡霊」「ブラックプールの路面電車」「ポーランドの船乗り」「コラール」と題された7曲で構成されています。2001年4月にイギリス吹奏楽協会(BASBWE)年次総会のコンサートでRNCMウィンド・オーケストラにより初演されました。
ニュージーランド出身のクリストファー・マーシャルは、ロンドンのトリニティー大学やアメリカのイーストマン音楽学校で学び、特に合唱曲で高く評価されている作曲家です。
「ロム・アルメ変奏曲」は、指揮者のティモシー・レイニッシュが亡くなった息子を偲ぶ一連の委嘱作品の一つとして作曲され、2003年にスウェーデンのイェンシェーピングで開催された第11回世界吹奏楽大会(WASBE)のコンサートで7月2日にピーター・ゲイン指揮ギルドホール・シンフォニック・ウィンド・アンサンブルの演奏により初演されました。主題として使用されているのは「ロム・アルメ(武装した人)」という中世の旋律で、デュファイやパレストリーナなど中世からルネサンスの多くの作曲家がそのメロディーを定旋律として使用したミサを作曲しており、また吹奏楽のオリジナル曲にもこのテーマを使用した作品があります。作曲者はこの作品を書くにあたって、イラク戦争に対する自身の思いを根底に置きながらも、この旋律が多くの作曲家にインスピレーションを与えてきた5世紀以上に渡る音楽のスタイルを取り入れ、また元の歌がフランスの酒宴の歌だったことから音楽の喜びを表したかったと述べており、まさにそのコメントが示すとおりの音楽が展開されています。
さて、このバンドのCDの聞き物にジョン・ボイドの編曲があります。ここではホルストの管弦楽曲「カプリッチョ」の吹奏楽編曲が収録されています。ホルストが1932年にハーヴァード大学での講義のために渡米したとき、短いラジオ用の小品を委嘱されて書いたもので、原曲は放送局のオーケストラにあわせてサクソフォーンやコルネット、バンジョーを含むやや変則的な編成をとり、ホルスト自身はタイトルを付けず「ジャズバンドの小品」とだけ呼んでいました。曲は演奏されないまま忘れ去られていましたが、1967年に娘のイモージェン・ホルストが通常のオーケストラ編成に改編して「カプリッチョ」のタイトルで出版し、1968年1月10日にロンドンのクィーン・エリザベス・ホールでイモージェン・ホルストの指揮でイギリス室内管弦楽団により初演されました。ボイドは原曲のサクソフォーン・パートをそのまま使用するなど、雰囲気を活かしたまま吹奏楽の編成に書き換えています。ジャズというより民俗的な雰囲気すら感じさせるチャーミングな小品です。
ウィンド・アンサンブルの特性を活かした透明感のあるサウンドで、スコアの隅々まで見えてくるような演奏です。吹奏楽ファン必携の1枚と言えるでしょう。また、ジャイルズ・イーストブルックによるライナーノート(英語)も秀逸で、一読の価値があります。
(2005.07)
|
|
| ||||||
|
|
| ||||||
|
|
| ||||||
|
|
| ||||||
|
クレジットカード(推奨) |
ご利用いただけるのは、以下のカードです |
後払い(コンビニ・銀行・郵便局) |
■このお支払方法の詳細
■ご注意
|
代金引換 |
ご利用いただけるのは2回目以降のご注文からとさせていただいております。
■このお支払方法の詳細
■ご利用可能なお支払い方法
|
銀行振込(前払) |
|
商品代金(本体・税別) | 発送方法が |
発送方法が |
支払い方法が 「代金引換(コレクト便)」 の場合 |
|
時間指定:可能な場合あり | 時間指定:可能 | 時間指定:可能 | ||
送付手数料 | 0円 | 550円 |
880円 |
1210円 |
1円〜3,000円 |
|
|||
3,001〜5,000円 |
無料 |
|||
5,001円〜10,000円 | 550円
|
|||
10,001〜15,000円 | 無料 |
550円 |
||
15,001円以上 |
|
発送にかかる日数の目安
発送方法 | 北海道、東北、中国、四国、九州、沖縄 | それ以外 |
ヤマト運輸の宅急便・コレクト便 レターパックプラス/ライト(郵便小包) |
2日 | 翌日 |
ヤマト運輸のネコポス便 |
|
クレジットカードでお支払いの場合についての追記
代金引換によるお支払いに関して
※平成26年4月1日より一部変更の上適用
お客様のご都合によるキャンセル
お客様のご都合によるキャンセルで、すでにご入金をいただいている場合の返金
3万円未満の返金 | 220円 |
---|---|
3万円以上の返金 | 440円 |
ミュージックストア・ジェイ・ピーの都合によるキャンセル
前払いで未入金のお客様へ
商品発送後の返品に関する規定
楽譜の場合
CDの場合
マスクや雑貨の場合
ミュージックストア・ジェイ・ピーのミスで違う楽譜や雑貨、破損CDなどをお届けしてしまった場合は、もちろん返品に応じます。