I. アンモナイト : 美しき螺旋を創造する アンモナイトは、存在していた当時、海洋で最も?栄した生物でした。また海洋生態系に重要な役割を果たし、多くの生物の進化に貢献したとされています。非常に効率よく繁殖できる構造を持っていたと考えられ、その生息地が広い範囲に分布していたため、アンモナイトの化石は示準化石として海洋の歴史を研究する科学者にとって今でも重要な情報源であり続けています。
II. スコーメナキア : 暗闇を優雅に追躡(ついじょう)する 生きた化石とも呼ばれるシーラカンスなどに代表される肉(にく)鰭類(きるい)に属している魚で、現在は世界中に6種しか存在していない、肺を持った肺魚でした。カナダ・ミグアシャ国立公園内のデボン紀の地層から発見された種で、優雅で大きな背びれが特徴の魚です。その大きな背びれが身体の安定と方向転換に役立ったと推測され、ゆっくりと水底表面を泳ぎ、獲物を探していたとされています。
III. クミマヌ : 巨大ペンギンは地上を闊歩する ニュージーランド南島オタゴのハンプデンビーチで発見された、巨大ペンギンの化石。翼と脚の骨から見積もると、体重は100kg程度、体長は1.7mあったとされています。これまでに発見されているペンギンの化石の中では最古級で、ペンギンが飛べない海鳥になってほどなく巨大化していたことがわかります。その大きな体は、より深く長時間潜水し、魚などの獲物を捕らえるのに有利だったとされます。絶滅はクジラやアザラシなどの哺乳類が台頭したのが原因ではないかと考えられています。
IV. ドルドン : 昂然と大海を邁進する 約4,100万年から3,390万年前の始新世に生息していた、始生動物のクジラ目です。 体長は通常約4~5メートル、イルカに似た筋肉質な流線型の身体と鋭い歯を持ち、魚などの小さな獲物を捕まえていました。陸上には適さないものの4本の手足を持っており、泳ぎの安定性を高めるために使用されていたのではないかと考えられています。比較的泳ぎが速く、最大時速25マイル(時速40キロ)程度の速度で泳ぐことができたと推定されています。