1. | Brisas Andaluzas - Part 1: Prelude [ イリャ・ラインハウト ( Ilja Reijngoud ) ] ( 3:58 ) |
2. | Brisas Andaluzas - Part 1: Guitar Solo [ イリャ・ラインハウト ( Ilja Reijngoud ) ] ( 1:13 ) |
3. | Brisas Andaluzas - Part 1: Farruca [ イリャ・ラインハウト ( Ilja Reijngoud ) ] ( 4:06 ) |
4. | Brisas Andaluzas - Part 2: Ballad [ イリャ・ラインハウト ( Ilja Reijngoud ) ] ( 5:21 ) |
5. | Brisas Andaluzas - Part 3: Tangos [ イリャ・ラインハウト ( Ilja Reijngoud ) ] ( 5:57 ) |
6. | ブリサス・アンダルシア:パート4:インターリュード ( Brisas Andaluzas - Part 4: Interlude ) [ イリャ・ラインハウト ( Ilja Reijngoud ) ] ( 1:42 ) |
7. | Brisas Andaluzas - Part 4: Bulerias [ イリャ・ラインハウト ( Ilja Reijngoud ) ] ( 8:57 ) |
8. | My Spanish Heart [ イリャ・ラインハウト ( Ilja Reijngoud ) ] ( 15:39 ) |
9. | Rapsodia Flamenca [ ヴィセント/エヘア ( Vicent Egea ) ] ( 9:27 ) |
10. | エル・リオ・ロ・サベ・トド ( El rio lo sabe todo ) [ イリャ・ラインハウト ( Ilja Reijngoud ) ] ( 3:14 ) |
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今作は4楽章形式の”Brisas Andaluzas”(M1-7)、以前のCDからのリマスター2曲(M8-9)に加えて書き下ろされた1曲(M10)、という2部形式で構成されたジャズとフラメンコを題材にした作品。M9を除く全ての楽曲が全てBen van Dijkと同じオランダ出身で新進気鋭のトロンボーン奏者Ilja Reijngoudのペンによるもので、彼の非凡な作曲センスを楽しめるショーケース的なアルバム、と言う事もできる。ちなみにIlja Reijngoudは同じくオランダ出身の世界的トロンボーン奏者Bart van Lierと共にK&H社のトロンボーンを愛用しており、2人一緒に来日する機会も近年増えてきたので、ご存知の方も多いだろう。
さて、このアルバムでM8,9以外の全ての曲を通して聴く事ができる全てのトロンボーンは、Ben van DijkとIlja Reijngoudの2人による多重録音である。しかし、同一奏者による多重録音にありがちな単調な音色感に収まらず、まるで何人もの奏者が演奏したような色彩感豊かなハーモニーに仕上がっているのは見事の一言に尽きる。サイドを固めるミュージシャンも非常に素晴らしい。
私感ではあるが、今作は世界最高峰のプレイヤーであるBen van Dijkのバストロンボーン演奏の素晴らしさを隅々まで堪能できるのはもちろん、専門家にしか分からない細かいスキル云々よりも、ジャズとフラメンコを題材にした一つの音楽作品として、トロンボーン奏者以外の方でも(むしろそういった方にこそ)楽しんで頂ける、歌心に満ちあふれた音楽内容になっているかと思う。
まず、組曲形式になっている”Brisas Andaluzas”を邦訳すると「アンダルシア(人)の風」といったところだろうか。スペインの南海岸に位置するアンダルシア地方に根ざした音楽の影響を大きく受けた楽曲群である。
冒頭の第1楽章、スペインのレストランを舞台にして雑踏の音をかき消すかのように響き渡る情熱的なソロボーカルから長い音楽の旅は始まり、Ben van Dijkのトロンボーンを通して壮大なフラメンコの物語が紡がれてゆく。冒頭の歌い手Pablo Martinezは、今作を通してカホン(木製の箱を使用した打楽器)とパルマ(手拍子)でフラメンコの世界観をしっかりと表現している。M2でのBen van Dijk自身の驚くほど流暢なフラメンコギターソロから繋がり、M3では編成も広がり、情感溢れる演奏で締めくくられる。
第2楽章は一転して静かな曲調へ。フラメンコ界に於ける2人の巨匠、シンガーCamarón de la Isla、そしてギタリストPaco de Lucíaへのレクイエムが、ストリングスカルテットをバックにギターとバストロンボーンの美しいメロディーに乗せて奏でられ、後半からはカホンとはまた違ったドラムのビートに乗せて哀愁と情熱を帯びた内容に変化していく。
第3楽章は広く知られたアルゼンチンタンゴと大きく違うスパニッシュタンゴ(tangos flamenco)がテーマ。Ilja Reijngoudのソロ、ホーンアンサンブルが素晴らしい。
第4楽章はbulerias(3+3+2+2+2拍子)というフラメンコの代表的なリズムがテーマ。余談だがフラメンコの舞踊は「コンパス」と呼ばれるアナログ時計の時針と同じ12拍のパルスのアクセント移動が基本になっているので、そういう聴き方をしても面白い。バストロンボーンの音域を最大限に活かした、ロマンティックなメロディ、そしてBen van Dijk自身がこのアルバムのハイライトの一つと評するIlja Reijngoudの素晴らしいソロも聴きどころの一つ。そして、壮大な物語はbuleriasのパルマが続く中、場面はスペインのレストランに戻っていき、長い旅路を終える。
M8,9は自身のCD、Never Alone(2009)でオリジナル録音された楽曲のリマスターである。
M8はソロバストロンボーンとブラスバンド(いわゆる日本でいわれる吹奏楽編成ではなく、木管楽器が除かれた金管楽器とパーカッションのみの英国式ブラスバンド)の編成。バストロンボーンのバックを務めるAmsterdam Brassのアンサンブルの溶け込み方が非常に心地よい。イギリスで行われたInternational Trombone Festival 2006の為にIlja Reijngoudによって書き下ろされた、Spanishとjazz、両方のエッセンスが融合した楽曲。
M9はソロバストロンボーンとトロンボーンカルテットの編成で、この曲のみVicent Egeaの作曲。canteと呼ばれるフラメンコの一番の肝となっている「歌」とフラメンコの様々な要素を、この編成で表現するチャレンジが大きな聴きどころの一つである。
M10は“Memory of Holland”というHendrik Marsmanの詩にインスパイアされてIlja Reijngoudが作編曲したもの。バストロンボーンの美しいメロディとそれを鮮やかに彩るストリングスがアルバムの最後を締めくくるのにふさわしい。
(2018年11月 豊平一郎)
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