1. | You and the Night and the Music [ Arthur Schwartz / arr. John Fedchock ] ( 7:15 ) |
2. | Like It Is [ John Fedchock ] ( 6:17 ) |
3. | Never Let Me Go [ Raymond Evans and Jay Livingston / arr. John Fedchock ] ( 5:47 ) |
4. | Just Sayin' [ John Fedchock ] ( 7:10 ) |
5. | Ojos De Rojo [ Cedar Walton / arr. John Fedchock ] ( 8:23 ) |
6. | Hair of the Dog [ John Fedchock ] ( 7:37 ) |
7. | Havana [ John Fedchock ] ( 7:52 ) |
8. | Just Squeeze Me [ Duke Ellington and Lee Gaines / arr. John Fedchock ] ( 5:38 ) |
9. | For Heaven's Sake [ Don Meyer, Elise Bretton and Edwards Sherman / arr. John Fedchock ] ( 5:29 ) |
10. | Ten Thirty 30 [ John Fedchock ] ( 8:11 ) |
ジョン・フェチョックのビッグバンド、数年に1枚のペースでのリリースではあるが、こうして作品が出てくることは実に喜ばしい。この人は最晩年のウディ・ハーマンのチーフ・アレンジャーを務めていて、ハーマン亡き後に大番頭だったフランク・タイベリが率いていたウディ・ハーマン・オーケストラにも名前を連ねていたと記憶しています。このゴーストバンドは2012年で活動を停止したようですが。ハーマンを話のマクラにしたのは、フェチョックのアレンジスタイルはウディ・ハーマンのスタイルを継承しているように感じるからです。昔ながらのツアーバンド的なのではないかと。そう感じる最大の理由は「サックスセクションの持ち替えの少なさ」です。多くのビッグバンドのサックスセクションが多彩な持ち替えで色彩感を拡張しているのと較べるとフェッチョックのアレンジは頑固なくらいに持ち替えないスタイルに拘っています。もちろん本作も。彼のアレンジのスタイルはコンサバティブ・モダンと言って良いかと思います。持ち替えのないモダンな譜面なので、もっと日本の学生や社会人のビッグバンドでも取り上げられても良い人なのになぁ、と思います。
オープニングはスタンダードのYou and Night and Music。のっけからフェチョックらしさ全開です。バンドも心得たもので気負いの無い軽い感じで吹いてます。ビッグバンドって日本だとラウドに行きがちですが、これはmfくらいで吹かないとこういうサウンドにならないんです。2曲目はタイトルトラック。ミディアムなラテン。ソリストのチャールス・ピロウは個人的にはマリア・シュナイダーの印象が強いので別人のような印象を受けます。ラッパのバリー・リースはやっぱりマリアのところに居たティム・リースの兄弟ですね。久しぶりに名前見ました。3曲目は自分フィーチャーのバラード。フェチョックは生音はめちゃくちゃ小さい人で、マイクに乗せないと何やってるかわからないくらいなのですが、そうした抑制したトーンでの柔らかいトロンボーンの音色っていうのは魅力的です。トゥッティからエンディングに至るアンサンブルワークは凝ったコードワークが素晴らしいです。4曲目もオリジナルのJust Sayin'。ゆったりしたミディアムナンバー。少なくともここまで聴いてきた感じでは、少し丸くなったかな?という気がしないわけでもないです。アップテンポで畳み掛ける感じの譜面がもう少し多いような印象があるので。でもこういうエンジンの回転数を上げないで優雅に走る感じも素敵なんですよね。逆にこういうのを余裕ぶっこきで吹く感じっていうのを学生さんや社会人バンドの型には参考にしてもらいたいなぁ、とも感じます。
5曲目、シダー・ウォルトンの名曲Ojos de Rojo。シダーは日本だと地味で渋い印象が強いですが、シンプルでカッコいい曲を沢山書く人でもありました。これなんかもそういうのの最右翼の一つ。先発ソリストがピアノであることにコンポーザーへの敬意が、ドラムにソロを回すあたりにジャズ・メッセンジャースへの敬意が出ているように見えます。パーカッションは多重録音で入れてるんだなぁ。ボビー・サナブリアも自分のラテンビッグバンドで過去にグラミーにノミネートされた名手なんですよ。6曲目、オリジナルのブルース、Hair of the Dog。イントロからテーマに行く前にベースにソロを振るという珍しい構成。ソリスト、リズムセクションが自由に遊べるスペースがたくさんある感じです。7曲目もオリジナルのHavana。ミディアムスローなラテンナンバー。こういうチャチャみたいなのって最近聴いてなかったなぁ。ソロはフェチョックとフルートでマーク・ヴィンシ。この人も90年代のマリアにいた人ですね。8曲目はエリントンのJust Squeeze Me。お待ちかね、管豪スコット・ロビンソンの全面フィーチャー。エリントンの曲でバリサクと言えばなんといってもハリー・カーネイですが、管であれば木管から金管まで太さ長さを問わず吹いちゃうスコットであれば相手に取って不足無し、ってところでしょう。っこでは荒技は抑えめで余裕のプレイを聴かせます。リードアルトがホッヂス的というかああいう時代の歌い回しをしているようにも聴こえるのは気のせいかな?9曲目はスタンダードのFor Heaven's Sake。フリューゲルでバリー・リースをフィーチャー。ちょっとくぐもった感じの音色ですがイイ感じです。フィーチャーもののバラードの譜面としてやりがいあると思います。クロージングはオリジナルのTen Thirty 30。アップテンポでいかにもクローザーな感じです。実はこの曲を含めて4曲が大学から依嘱を受けて書いた譜面でした。今までのアルバムに較べると比較的与し易い譜面が多いように聴こえたのはその辺りを想定して書いているからかも、という気がしました。逆に言うと日本の学生さんや社会人の方にとっても取り組みやすい譜面が多いかな、という感じです。しかし、ある程度固定しているとは言え、メンバーの強力さには毎度ビックリです。マリアとVJOのいいとこ取りみたいなセクションですし。もちろんそれは実は90年代初頭にマリアとジョンはパートナーだった時期があるようでこの辺りはみんなメンバー融通しあってたフシは疑えるのです。マリアとジョンは書き方っていうか音楽的アプローチが全然違うわけですが、1990年代以降現代に至るビッグバンドシーン、特にNYCのビッグバンドシーンを見るにジョンはマリアと同じくらい重要な存在に見えるんです。編成、サウンドともコンサバティブですが、その中に時々見えるモダンな響きの魅力を楽しんで頂ければと思います。
(2016年2月 辰巳哲也)
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