DISC 1 | |
1 | キューバ序曲 ( Cuban Overture ) [ ジョージ・ガーシュイン ( George Gershwin ) / arr. Trans: マーク・ロジャース ( Trans. Mark Rogers ) ] ( 10:11 ) 昭和ウインドシンフォニー |
2 | ラプソディ・イン・ブルー ( Rhapsody in Blue ) [ ジョージ・ガーシュイン ( George Gershwin ) / arr. Trans: ファーディ・グローフェ ( Trans: Ferde Grofe ) ] ( 17:52 ) シンシナティ・ウインド・シンフォニー |
3 | パリのアメリカ人 ( An American in Paris ) [ ジョージ・ガーシュイン ( George Gershwin ) / arr. Trans:保科洋 ( Trans: Hiroshi Hoshina ) ] ( 18:33 ) ノース・テキサス・ウインド・シンフォニー |
DISC 2 | |
1 | ポーギーとベス:交響的絵画 ( Porgy and Bess: A Symphonic Picture ) [ ジョージ・ガーシュイン ( George Gershwin ) / arr. Trans: ロバート・ラッセル・ベネット ( Trans: Robert Russell Bennett ) ] ( 25:21 ) ノース・テキサス・ウインド・シンフォニー |
2 | プロムナード:ウォーキング・ザ・ドッグ ( Promenade: Walking the Dog ) [ ジョージ・ガーシュイン ( George Gershwin ) / arr. Trans: デリク・ブージョワ ( Trans: Derek Bourgeois ) ] ( 3:25 ) ノース・テキサス・ウインド・シンフォニー |
3 | 3つの前奏曲:第一前奏曲 ( Three Preludes: First Prelude ) [ ジョージ・ガーシュイン ( George Gershwin ) / arr. Trans: ジョン・クランス and ニコラス・ウイリアムズ ( Trans: John Krance and Nicholas Williams ) ] ( 1:44 ) ノース・テキサス・ウインド・シンフォニー |
4 | 3つの前奏曲:第二前奏曲 ( Three Preludes: Second Prelude ) [ ジョージ・ガーシュイン ( George Gershwin ) / arr. Trans: ジョン・クランス and ニコラス・ウイリアムズ ( Trans: John Krance and Nicholas Williams ) ] ( 4:27 ) ノース・テキサス・ウインド・シンフォニー |
5 | 3つの前奏曲:第三前奏曲 ( Three Preludes: Third Prelude ) [ ジョージ・ガーシュイン ( George Gershwin ) / arr. Trans: ジョン・クランス and ニコラス・ウイリアムズ ( Trans: John Krance and Nicholas Williams ) ] ( 1:33 ) ノース・テキサス・ウインド・シンフォニー |
6 | ストライク・アップ・ザ・バンド序曲 ( Strike Up the Band Overture ) [ ジョージ・ガーシュイン ( George Gershwin ) / arr. Trans: 松代晃明 ( Trans: Teruaki Matsushiro ) ] ( 7:33 ) ノース・テキサス・ウインド・シンフォニー |
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「GIA Composer's Collection」は、アメリカの出版社GIAが指揮者のユージン・コーポロンとタッグを組み、一人の作曲家にスポットを当てて、吹奏楽の演奏でその作品の魅力を味わえるシリーズです。主にノース・テキサス・ウィンド・シンフォニーの演奏によるGIAウィンドワークス・シリーズなどの既存の録音を中心に1枚ないし2枚のCDに再構成しています。これまでにホルストやヴォーン・ウィリアムズ、ヒンデミットといったクラシックの大作曲家からマイケル・コルグラス、ドナルド・グランサム、ジョゼフ・シュワントナーといったアメリカを代表する現代の作曲家に至るまで、13人の作曲家が取り上げられてきました。
2013/2014年のシーズンにラインナップに加わったのは、ユダヤ系移民の家庭に生まれた、20世紀アメリカを代表する2人の音楽家の作品集です。このCDにはその一人、ジョージ・ガーシュウィンの作品が収録されています。
ジョージ・ガーシュウィンは1898年9月26日にユダヤ系ロシア人の移民の息子として、ニューヨークのブルックリンに生まれました。13才で初めて音楽を学び始め、15才から楽譜店の専属ピアニストとしてピアノを弾きながら当時流行していたラグタイムやジャズを身に付けていきました。1919年のポピュラーソング「スワニー」のヒットで人気を得て、作詞家となった兄アイラ・ガーシュウィンと組んで歌曲やミュージカルを作曲するようになります。
ポピュラー音楽の人気作曲家だったガーシュウィンの名を、クラシック界に広めたのが「ラプソディ・イン・ブルー」です。1924年2月12日にニューヨークのエオリアン・ホールで行われた「新しい音楽の試み」というコンサートには、ラフマニノフ、ストラヴィンスキー、スーザ、あるいはハイフェッツ、ストコフスキーといった名だたる音楽家が顔を揃え、その中でポール・ホワイトマン楽団によって初演された「ラプソディ・イン・ブルー」は、ジャズとクラシックの融合という演奏会の目的をはるかに超え、大成功を収めることになります。
多忙な上にタイトなスケジュールでスコアを書き上げるほどにはクラシックの書法に精通していなかったガーシュウィンは、ソロと伴奏の2台のピアノ用に楽譜を書き、書き上がった部分からホワイトマン楽団の専属アレンジャーで組曲「大峡谷」などの作曲作品で知られるファーディ・グローフェがオーケストレーションするという二人三脚で、3週間で仕上げられました。その編成は、木管楽器がオーボエ、クラリネット、バス・クラリネット、ソプラニーノ・サクソフォーン、ソプラノ・サクソフォーン2本、アルト・サクソフォーン2本、テナー・サクソフォーン、バリトン・サクソフォーン(ホワイトマン楽団ではこれをわずか3人の奏者が持ち替えて演奏)、金管楽器はホルン、トランペット、トロンボーンが各2とテューバ(コントラバス持ち替え)、バンジョー、ピアノ、チェレスタ、ドラム(持ち替えでティンパニとパーカッション)、ヴァイオリン8本、そして独奏ピアノというもので、あちこちに空白の残った独奏ピアノのパートはガーシュウィン自身がアドリブを交えながら弾いていました。
きわめて変則的でホワイトマン楽団以外では演奏できないような編成だったため、グローフェは1926年に当時のブロードウェイで主流だった劇場オーケストラの編成に編曲し、さらにガーシュウィンの死後1938年にはピアノ独奏なしでも演奏できる吹奏楽版を発表しています。また、1942年にはガーシュウィン作品の出版社であるニューワールド・ミュージック社の編集者フランク・キャンベル=ワトソンによって1926年版を基により一般的なフル・オーケストラ編成用も作られ、これが今日最も広く演奏されています。また、吹奏楽編曲版はグローフェの他にドナルド・ハンスバーガーや高橋徹など優れた編曲家によるさまざまな編曲が発表されていますが、ここではポール・ホワイトマン楽団用の手稿譜に基づく1924年のオリジナル版での演奏が収録されています。演奏用の楽譜が正式に出版されているわけではなく、特殊な編成のため実際に演奏される機会はほとんどありませんが、ジャズバンドの香りが色濃く残り、熱狂的な成功をもたらした初演当時の演奏を思い起こさせるようです。後のオーケストラ版では改編されたり割愛されたために耳慣れない部分もありますが、オリジナル・ジャズバンド版の数少ない貴重な録音と言えるでしょう。
なお、この演奏は1993年5月にコーポロンが当時指揮者を務めていたシンシナティ大学音楽院のウィンド・シンフォニーを指揮して録音したものですが、ピアノ独奏を弾いている同大学院教員のウィリアム・ブラックは2003年に亡くなり、このアルバムにはその追悼の意味も込められているということです。
1926年に作曲された「3つの前奏曲」は、ガーシュウィンの唯一のピアノ独奏曲です。元々はピアノ独奏のための24の前奏曲集として構想されていましたが、5曲が書き上げられニューヨークの有名な老舗ホテルのルーズヴェルト・ホテルで初演されました。そのうちの2曲はヴァイオリン独奏曲に編曲され「短い物語」として知られるようになりましたが、オリジナルのピアノ版の楽譜が失われてしまい、残った3曲がピアノ曲として翌年出版されるという経緯をたどっています。友人で音楽家のビル・デイリーに献呈され、「アレグロ・ベン・リトマート・エ・デチーソ」「アンダンテ・コン・モート・エ・ポコ・ルバート」「アレグロ・ベン・リトマート・エ・デチーソ」の3曲からなります。ブルースやラグタイムの味わいを持つこの曲は、さまざまな楽器や合奏形態に編曲されて演奏されています。第2曲はジョン・クランスの編曲がすでに出版されていましたが、第1曲と第3曲がノース・テキサス大学の管楽研究科で副指揮者を務めるニコラス・ウィリアムズの手で編曲され、全3曲が吹奏楽で聞けるようになりました。
「ストライク・アップ・ザ・バンド」は1927年に作曲され、その後1930年に改訂されてブロードウェイで上演されたミュージカルです。政治と戦争のからくりを痛烈に風刺し、発表当時は大変な問題作とされましたが、音楽はガーシュウィンならではの軽妙な仕上がりになっています。ここに収録されているのはミュージカルの音楽からガーシュウィンが再構成し、1970年代初頭にデリック・ローズが改訂した演奏会用序曲です。吹奏楽への編曲は元読売日本交響楽団のクラリネット奏者で北海道教育大学函館校の教授だった松代晃明が、指揮者を務めていた同校吹奏楽団のために行ったもので、1999年6月の定期演奏会で初演されました。
ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団(現在のニューヨーク・フィルハーモニック)の委嘱で作曲され、1928年12月13日にカーネギー・ホールでウォルター・ダムロッシュの指揮により初演された「パリのアメリカ人」は、ガーシュウィンが1920年代にパリを訪れたときの印象を基に、パリの喧騒や主人公の心情を鮮やかに描いています。「ラプソディ・イン・ブルー」やその翌年に書かれた「ヘ調の協奏曲」に比べ、楽曲の構成力や管弦楽法など作曲技法が格段に成長しています。原曲は一般的な3管編成のオーケストラにアルト、テナー、バリトンの3本のサクソフォーンが加わり、初演ではガーシュウィン自身がパリで購入した自動車のクラクションが使われました。ここでは作曲家、指揮者として活躍する保科洋が1980年に東京佼成ウインドオーケストラの委嘱で書き下ろした編曲譜が使用されています。この編曲は1985年11月2日に東京の練馬文化センター大ホールでフレデリック・フェネルの指揮により初演されて好評を博しました。1986年4月には東京の普門館でレコーディングも行われています。
有名な曲ですが、吹奏楽による全曲演奏は意外に多くはなく、上質な演奏による貴重な録音と言えるでしょう。
当初は「ルンバ」というタイトルで作曲された「キューバ序曲」は、1932年2月に3週間に渡るキューバ旅行を堪能したガーシュウィンが、現地で聞いた音楽やリズムに強い印象を受けて帰国後すぐに書き上げた管弦楽曲です。1932年8月16日にニューヨークのルイゾン・スタジアムで行われたオール・ガーシュウィン・プログラムの野外コンサートで初演され、3ヵ月後にメトロポリタン歌劇場でのチャリティー・コンサートで作曲者自身の指揮により現在の曲名で再演されました。カリブ海のリズムやキューバの打楽器を巧みに用い、哀愁を帯びた中間部を陽気なリズミカルな部分が挟む3部構成で書かれています。名編曲家として名高いマーク・ロジャーズの編曲は、原曲の雰囲気を損なうことなく吹奏楽独自の表現で楽しませてくれます。
フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの主演による1937年アメリカ映画「踊らん哉」では、その音楽で作曲にジョージ、作詞にアイラのガーシュウィン兄弟が起用され、やがていくつもの曲がスタンダードナンバーして演奏されるようになり現在でも広く聞かれています。ここに収録されている「ウォーキング・ザ・ドッグ」は1960年に「プロムナード」というタイトルで出版されたもので、映画の中では一部が使われただけですが、後にバレエ音楽として改編されました。室内オーケストラのための小品を、ブラスバンド曲「ブリッツ」などが人気のイギリス出身の作曲家デリック・ブージョアがクラリネット独奏をフィーチャーして編曲しています。この録音の独奏はノース・テキサス大学の教員を務めるキンバリー・コール・ルエヴァノです。
さて、作曲家としてのガーシュウィンの集大成と言えるのが、1935年に3幕9場からなる3時間近い本格的なオペラとして作曲された「ポーギーとベス」でしょう。1920年代初頭の南部の町に住む貧しいアフリカ系アメリカ人の生活を描いたこのオペラには、ガーシュウィンが作曲にあたって原作の小説の舞台となっているサウスカロライナ州チャールストンを訪れて研究した黒人音楽のイディオムが盛り込まれています。1935年9月30日にボストンのコロニアル劇場で初演され、10月10日にニューヨーク・ブロードウェイのアルヴィン劇場で公演されましたが、ガーシュウィンが「アメリカ民俗オペラ」と呼び、黒人とその音楽を中心にした独自性の強い内容から決して評価は高くはなく、劇中のいくつかの曲がポピュラー音楽として人気を博したことで、むしろミュージカルのように受け取られていました。
この「交響的絵画」は、ブロードウェイで作編曲家として活躍し、吹奏楽の分野では「アメリカの古い舞曲による組曲」や「吹奏楽のためのシンフォニック・ソング」などの作曲作品で知られるロバート・ラッセル・ベネットが吹奏楽に再構成したものです。なお、ベネットは1942年に当時ピッツバーグ交響楽団の指揮者だったフリッツ・ライナーの委嘱でオーケストラ用にも同じ「交響的絵画」というタイトルを付けた構成の異なる別の演奏会用組曲を発表しています。
演奏は、「キューバ序曲」が昭和音楽大学の選抜メンバーによる昭和ウインド・シンフォニーのライブ録音、「ラプソディ・イン・ブルー」がシンシナティ大学音楽院のウィンド・シンフォニー、その他がノース・テキサス大学音楽大学のウィンド・シンフォニーです。
ガーシュウィンのさまざまな音楽を吹奏楽で楽しむことができるアルバムとなっています。
(2014.04)
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