■収録:2006年5月30日〜6月1日、ドイツ・ライプツィヒ、ベタニア教会にて
サウジ基礎産業公社(SABIC)のヨーロッパの拠点であるSABICヨーロッパの新しいオランダ本社落成を記念して委嘱されたアッペルモントの6分を超えるスケールの大きなコンサートマーチ「SABICシンフォニック・マーチ」で華々しく幕を開けるこのアルバムは、ベルギーの出版社ベリアート・ミュージックの2006年の新譜による吹奏楽作品集です。東西ドイツ統一以降は独立したプロの吹奏楽団として多彩な活動を続けているライプツィヒ放送吹奏楽団と2002年から指揮者を務めるオランダ出身のヤン・コーベルによる演奏で、中上級バンド向けの作品6曲が収録されています。
ピエトロ・マスカーニのオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の有名な美しい間奏曲に続いては、オリヴァー・ヴェスピの「イル・カンティコ」です。スイスのチューリッヒ・エルリコン=ゼーバッハ市民吹奏楽団が2005年にシンガポールで開催された世界吹奏楽大会(WASBE)に出演するために委嘱した曲で、7月13日のコンサートで初演されました。タイトルはフランシスコ会の創設者で清貧を説き自然を愛した中世イタリアで最も著名な聖人であるアッシジの聖フランチェスコの詩「太陽の歌」(被造物の賛歌)から取られています。この詩は太陽、月、星、風、水、火、大地、そして死を兄弟姉妹として、創造主たる神への感謝をうたうもので、ここではその中から太陽、月、星、火をテーマに、夜明けからやがて輝きを見せる太陽、神秘的な光を見せる月と星、激しく燃え上がる火をそれぞれ表現して音楽を作り上げています。
現在も後戻りできない重大な決断を下すという意味で「ルビコン川を渡る」という慣用句が残っているルビコン川は、イタリア北部を流れる川で、古代ローマにおいてはローマ共和国と支配下にあった属州ガリア・キサルピナとの境界線となっており、軍隊がこの川を越えてローマ共和国内に入ることは禁じられていました。紀元前49年1月10日、ガリア・キサルピナとガリア・トランサルピナの属州総督だった将軍ガイウス・ユリウス・カエサル(英語読みでジュリアス・シーザー)はローマ共和国に反旗を翻し、「賽は投げられた」という有名な言葉とともにルビコン川を渡って、紀元前48年8月9日にギリシャ北部テッサリアのファルサルスで敵対するグナエウス・ポンペイウス・マグヌスと元老院の軍勢を破りました。カエサルは皇帝としてローマの最高権力者となりましたが、その4年後にマルクス・ユニウス・ブルートゥスとガイウス・カッシウス・ロンギヌスの共謀により暗殺されてしまいます。
オランダのペイ聖ヨゼフ・ファンファーレの委嘱を受けたアッペルモントは、時代の変革の舞台となったルビコン川に想いを馳せてこの「ルビコン」を作曲しました。
困難な選択を前に神の救いを求める「瞑想」、歴史の一つの転換点である「ファルサルスの戦い」、そして勝利に沸き返る「踊り」の3曲からなり、ソプラノで歌われる「平安を与え給え」やローマ軍を表す金管楽器によるファンファーレなど聞き所満載の作品です。金管楽器とサクソフォーンで構成されるファンファーレとその後にまとめられた通常の吹奏楽編成の2種類の楽譜が用意されていますが、スコアにはアルメニアの民族楽器デュデュクやモノコード(一弦琴)が指定され、トランペットやトロンボーンなどの配置を指示するなど視覚的にもこだわっており、演奏効果抜群の作品となっています。
さて、クラシック界では2006年はモーツァルトの生誕250年一色に染まった感がありますが、ソ連が生んだ大作曲家ドミトリ・ショスタコーヴィチの生誕100周年にもあたっており、その作品も世界各地で演奏されました。そして今回新たにオペラ「ムツェンスク群のマクベス夫人」からの組曲の吹奏楽版が登場しました。
1930年から1932年にかけて作曲され、1934年にレニングラードで初演された2作目のオペラ「ムツェンスク群のマクベス夫人」は、観劇に訪れたスターリンが途中で退席したり、「ブルジョワ趣味」と評されるなど、その前衛的な作曲技法と人間の欲求の表現が問題となって1936年にショスタコーヴィチが共産党から批判を浴びる原因となりました(このとき、ショスタコーヴィチが名誉回復を成し遂げることになったのが有名な交響曲第5番 ニ短調 作品47です)。事実上上演禁止となってしまったこのオペラは、初演から30年近くたって国内の情勢も大きく変化した1963年に過激な部分をわずかに書き直して「カテリーナ・イズマイロヴァ」作品114として初演し、大成功を収めることになります。
ここで演奏されている組曲はオペラの間奏曲を集めたもので「アレグレット」「アレグロ・コン・モート」「アレグレット」「プレスト」の4曲がステーフェン・フェルハールトの編曲によるものです。
なお、この楽譜では作品114aとありますので、音楽的にはほとんど変わりのない「カテリーナ・イズマイロヴァ」のスコアを基にした編曲と見られます。
この他に、ポルトガルの祭りに触発されたスペインの作曲家テオ(テオドロ)・アパリシオ・バルベランの「フェスタ・ダス・フォガセイラス」を含め、実力のあるバンドにふさわしい作品ばかりです。
収録曲の楽譜はすべてベリアートから出版されており、いずれもお取り寄せできます。コンサートやコンクールの自由曲にお薦めの作品ばかりですので、興味がありましたらぜひお問い合わせください。
(2006.11)
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